神と空 の商品レビュー

島田裕巳(著者)

2020/05/03

神と空 島田裕巳 海鳴社
この一成る絶対神と自ら悟る空が出合うところに
現代の日本列島は成り立っている
先進国と言われている中で唯一の非キリスト教国である日本は西洋文化を享受して
長い布教の歴史を持ちながらもキリスト教は根付かなかった
著者は一神教の神観念と般若心境的空の概念を比較して
日本における宗教観を描き出す
ミッションスクールで意識することもなくイエスの言葉に洗脳されている人々がいる
新興宗教への拒絶感
理想社会の実現を目指した神なき共同体である
武者小路による新しき村と山岸によるヤマギシ会の軌跡に見る揺れる精神性
著者による体験と考察から日本教とも言うべき特異な収去意識を指摘するとともに
その背景となる世間体を規範とするムラ社会的集団原理が競争原理によって崩壊しつつある神々を問う

扉のコメントから

手段や道具は使い方次第で
ギロチンのもノミにもなるのだから
先に視野の広い意識を磨き出しておかなければ
豚に真珠という事になる