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日本思想史 の商品レビュー

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2012/08/07

八重樫直比古「『日本書紀』崇峻天皇即位前紀覚書」を収録。 崇排仏論争について考える上で必読。排仏派とされてきた尾輿らを「慎重派」と位置づける。 支配制度の一部分でもある神祇祭祀の改変に慎重であるべきという見解に対して、積極派の蘇我稲目の見解は、単に他国に遅れをとってはならないとい...

八重樫直比古「『日本書紀』崇峻天皇即位前紀覚書」を収録。 崇排仏論争について考える上で必読。排仏派とされてきた尾輿らを「慎重派」と位置づける。 支配制度の一部分でもある神祇祭祀の改変に慎重であるべきという見解に対して、積極派の蘇我稲目の見解は、単に他国に遅れをとってはならないといっているに過ぎない。 「神祇祭祀への配慮を重んずる側からの崇仏慎重論には、それなりの説得性があると見える。慎重論の存在意義は依然として消滅していないと見えるにも関わらず、それを唱える者が仏教や国家の敵対者として葬り去られてしまったことになるのである。崇仏積極論と慎重論の対立については何の解決もないままに、一方の当事者を消滅させて、あたかも対立が解決したかのように叙述しているのが本即位前紀であるということになる」

Posted byブクログ