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柳田国男 の商品レビュー

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2022/10/09

柳田國男の生涯と思想をわかりやすく解説している本です。 近代とは、日本人がこれまで伝えてきた伝統的な生活文化全体が崩壊し、しかもそれらに代わるあたらしい生活文化が形成されていない状況のなかで、人びとの生活にさまざまな問題が生じた時代です。そのことは、農業問題や勤労者の置かれてい...

柳田國男の生涯と思想をわかりやすく解説している本です。 近代とは、日本人がこれまで伝えてきた伝統的な生活文化全体が崩壊し、しかもそれらに代わるあたらしい生活文化が形成されていない状況のなかで、人びとの生活にさまざまな問題が生じた時代です。そのことは、農業問題や勤労者の置かれていた劣悪な社会的地位の問題となって柳田の前に現われ、彼は主として農業政策上の関心から農村の実態把握と民間信仰の研究に取り組むことになります。 このことをたしかめたうえで著者は、柳田民俗学がこうした問題意識をより包括的な視野に立って考察するものとしてとらえようとしています。すなわち、人びとの世界観や人生観、倫理意識、集団内部および集団相互の関係、自然と人間との関係、そして生産と消費のありかたなどを含む日本人の生活文化全体をトータルに捉えなおし、そこから時代の直面する問題の解決を図ろうとするものだったのです。 こうして著者は、柳田が農政学に挫折して民俗学に向かったのではなく、農業改革論、地域改革論の基本的な観点を堅持しつつ、より広い視野に立つことになったと主張します。またこのような理解に基づいて、柳田民俗学と彼の国民国家構想とのつながりを捉えようとしています。著者はとくに柳田の氏神信仰の研究をていねいに紹介して、そこから彼が日本人の倫理意識の形成と課題についてどのような見解をみちびいたのかということを明らかにしています。

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2013/02/17

近代の天皇制の形成過程を国家神道や氏神信仰の視点から読み解こうとした、柳田国男の思想を簡単に記した。

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