物語 ヴェトナムの歴史 の商品レビュー
ベトナム関連の原稿を書くに当たって基礎知識として読んだ本。 「物語」というほどではないが、各時代の人物にスポットを当ててやさしくベトナムの歴史を概観できる本になっている。 30年近く前の本なので当然21世紀以降のことは書かれていないし、ホーチミンによる建国までがメインであり、ベト...
ベトナム関連の原稿を書くに当たって基礎知識として読んだ本。 「物語」というほどではないが、各時代の人物にスポットを当ててやさしくベトナムの歴史を概観できる本になっている。 30年近く前の本なので当然21世紀以降のことは書かれていないし、ホーチミンによる建国までがメインであり、ベトナム戦争のことはほんの数行しか書かれていないのでそのあたりが知りたい人は注意。 ベトナム人名が覚えられず(グエンさんとファンさん多過ぎ問題)、細かいことはさっぱり覚えられなかったが、ベトナムの文化や国民性がどのように醸成されていったかが学べて良かったと思う。
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歴史的な疑問。 ベトナム戦争とは何だったのだろう。 これを知りたくて、この本を手に取る。 紀元前から始まる物語は長期で 登場人物も多いし 土地の名称や地理も 馴染みがないので、苦戦する。 読む前はなんとなくヴェトナムに 良いイメージが無い。 それと何故かホ・チ・ミン氏に悪い ...
歴史的な疑問。 ベトナム戦争とは何だったのだろう。 これを知りたくて、この本を手に取る。 紀元前から始まる物語は長期で 登場人物も多いし 土地の名称や地理も 馴染みがないので、苦戦する。 読む前はなんとなくヴェトナムに 良いイメージが無い。 それと何故かホ・チ・ミン氏に悪い イメージを持っていた。 今まで見たり聞いたりした メディアの情報のせいだろうか。 随分誤解していた。 ベトナム戦争について知りたかったのに 残念ながら、その前で本書は終わる。 でも、それ以前の事を知っておかなければ これから起こる戦争の 理解が不足することを読んで分かった。 中国との関係。周辺諸国との争い。 数々の王朝の勃興と権力争い。 民族、宗教、文化 フランスの植民地支配 封建社会か民族的民主主義か。それとも共産主義か いろんなことが絡み合って 複雑化して当時何が正しいのか わからなかっただろう。 そういう混迷な時期を乗り越えて 今のヴェトナムがあることを 深く胸に刻み込んだ。 数多のヴェトナムの 平和を願う偉人の 言葉に感動した。 さあ、まだベトナム戦争が残っている。 性根を据えて読むことにしよう。
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司馬遼太郎の「人間の集団について」を読んでいて、猛然と「ヴェトナムの歴史を知りたい!」という欲求に焼かれて購入。こういうときに電子書籍は極めて便利です。 内容は、当然読了するとするすると忘れて行くのですが、いくつかの印象が持てただけでも収穫。 ●現在のヴェトナムの「北部」と「...
司馬遼太郎の「人間の集団について」を読んでいて、猛然と「ヴェトナムの歴史を知りたい!」という欲求に焼かれて購入。こういうときに電子書籍は極めて便利です。 内容は、当然読了するとするすると忘れて行くのですが、いくつかの印象が持てただけでも収穫。 ●現在のヴェトナムの「北部」と「南部」で歴史が違う。「北部」は中国との摩擦の歩みの中で国家としての意識や枠組みが早くからあった。「南部」はカンボジアとも密接で、少なくとも「北部」と運命共同体であるという意識は薄かった。 ●日本、朝鮮半島と同じく「中国という巨大な文明国が近かった影響」が作用副作用含めて大きい。 ●メコンデルタ、西部の山岳地帯、海。地理が及ぼした影響が歴史に大きい。 などなどですね。 一方で司馬さんが言っている、 ●19世紀20世紀に、いきなり近代(現代)に放り込まれた国家の悲劇 という背景が良く見えました。 ただ、この本が実は「ヴェトナム戦争前夜」で終わっちゃうんですね。 「えええっ!そんなっ!」ということで、ヴェトナム戦争の新書をまたまた急遽購入。
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建国神話から1945年の独立宣言まで。 肝心のインドシナ、ヴェトナム戦争は別著に譲り、中国、フランスとの戦いに焦点をあてたヴェトナムの独立記。 構成は大きく分けて4つ。紀元前から1000年続く中国支配の時代、独立を維持し国家を造る時代、ラオス・カンボジア・チャンパ王国に攻め入る...
建国神話から1945年の独立宣言まで。 肝心のインドシナ、ヴェトナム戦争は別著に譲り、中国、フランスとの戦いに焦点をあてたヴェトナムの独立記。 構成は大きく分けて4つ。紀元前から1000年続く中国支配の時代、独立を維持し国家を造る時代、ラオス・カンボジア・チャンパ王国に攻め入る勢力拡大の時代、そしてフランス植民地時代。 政権と戦争の話がメインであるものの、当時の文化・風俗についても多く語られ、誠実で詳しくはあるのだが、時系列が行ったり来たり、時々の主役以外の人物像も希薄で、物語として受け取るのは難しい。 約400ページと新書にしては分厚いが、ヴェトナムの2000年間を一望できる一冊。
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ベトナムの歴史を改めて学びなおすために再読。 重要人物を中心にベトナムの歴史を誕生から現代まで横断的な勉強できます(ベトナム戦争は割愛されてます) ベトナム人の歴史人物はホーチミンぐらいしか、日本人は知らないと思うので、結構苦戦するかもしれません… ただ、出張や駐在で現地に...
ベトナムの歴史を改めて学びなおすために再読。 重要人物を中心にベトナムの歴史を誕生から現代まで横断的な勉強できます(ベトナム戦争は割愛されてます) ベトナム人の歴史人物はホーチミンぐらいしか、日本人は知らないと思うので、結構苦戦するかもしれません… ただ、出張や駐在で現地に行っている方は、ベトナムの道によく使われている人物が沢山出てきますので、馴染みのある名前の活躍を読める楽しさがあるかと思います。 私は人物名を覚えることは諦め、各国との関係性や出来事に意識を向けて読んでいました。 中国はもちろん、ラオやチャンパ(今のカンボジア)とも戦いが続く歴史は、今のベトナム人の精神を形作っているのだと改めて思いました。 ○トリビア ベトナムという国名はベトナム自身がつけたものではない。中国の清朝が名付けさせたもの。 1000年に及ぶ中国支配の時代で中国の直接支配、又は影響が及んだのは省、県レベル。 ディンポリンやレホアンの王の周囲は素朴な農民のような生活をしておりる漢語が読めなかった。レホアン(10世紀の王)も文字が分からなかった。 『リ・チャン時代』は仏教から儒教への転回、助走の時代となった。 明はベトナム人古来からの風習である男子の刺青、女子のおはぐろの風習を禁じた。 フランスの植民地教育は基本的に教育水準を向上させることにほとんど関心がなかった。
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2020/03/14 購入 2020/05/17 読了 ★★ 2024/10/14 読了 ★★★
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ヴェトナムの北属南進の歴史をつづっている。中国との関係、周辺のアジア諸国との関係を同時並行に捉えるのがヴェトナムをつかむには必要とこの本が語る。中を読み進めると、平和な時代が少なく、反乱の時代に道満ちているという印象。しかし、統治する人が善政をすれば、すぐに反乱が収まるというのは...
ヴェトナムの北属南進の歴史をつづっている。中国との関係、周辺のアジア諸国との関係を同時並行に捉えるのがヴェトナムをつかむには必要とこの本が語る。中を読み進めると、平和な時代が少なく、反乱の時代に道満ちているという印象。しかし、統治する人が善政をすれば、すぐに反乱が収まるというのは納得。支配者が強欲でなければ、みな平和に暮らしていけるのだなと、再確認。 ヴェトナムは100年に及ぶフランス支配を受けるが、その際に日本も候補に入っていたらしい。占領する価値を見いだせなかったのだろうが、日本はラッキーだったのかもしれない。 ヴェトナム戦争を乗り切り、ようやく今の統一国家と平和を得ることができたのは、ひとえにホ・チ・ミンという人物を得ることができたからだと思われる。やはり、歴史を転換させるには、天才の力が必要なのだろうか? この本を通読すれば、ヴェトナムの歴史に通じることができることは請け合える。さすがに、通史なので、分厚いが、新書でこのレベルとはうまくコンパクトにまとめてもらえたと思う。
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歴史といえば、日本史と世界史で。その世界史も勉強するほとんどが西洋史ですので、東南アジアの歴史なんてものは世界大戦あたりから、それもほんの少し、それも悪いイメージで認識しているといった状態でした。本書はその一つであるヴェトナムの歴史を、フランス以前に中国によって支配されてきた時代...
歴史といえば、日本史と世界史で。その世界史も勉強するほとんどが西洋史ですので、東南アジアの歴史なんてものは世界大戦あたりから、それもほんの少し、それも悪いイメージで認識しているといった状態でした。本書はその一つであるヴェトナムの歴史を、フランス以前に中国によって支配されてきた時代から、ゆっくりと語られています。その複雑な中国との関係。その複雑な縦長の国土とそれぞれの地域の歴史の関係。その複雑なフランス統治時代の他の植民地と一緒くたにされた関係。とにかく複雑な歴史を持っている国だということが分かりました。この歴史を知ることにより、今のヴェトナムが社会主義国であり共産党が主導する国家であるにもかかわらず、非常に民主的なイメージがある不思議な社会性が理解できたのではないかと思います。
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フランスの植民地になった頃からヴェトナム戦争までの時代は知って いた。なかでもインドシナ戦争からヴェトナム戦争にかけては少なく ない量の書籍を読んで来た。 だが、それだけではヴェトナムの歴史を知ったことにはならない。なので、 古代からホー・チ・ミンの死去までを扱った本書...
フランスの植民地になった頃からヴェトナム戦争までの時代は知って いた。なかでもインドシナ戦争からヴェトナム戦争にかけては少なく ない量の書籍を読んで来た。 だが、それだけではヴェトナムの歴史を知ったことにはならない。なので、 古代からホー・チ・ミンの死去までを扱った本書は良い教科書になった。 抵抗に次ぐ、抵抗の歴史だ。その昔、ヴェトナムは1000年に渡り中国に 支配されていた。だが、ただ属国に甘んじていたのではない。 「世に皇帝を名乗るのは中国の皇帝のみ」なんだけれど、表向きは 恭順を示しながらも国内では「皇帝」を名乗っている。しかも、定期的 に抵抗運動が頻発する。 当然のように中国に潰されてしまうのだけれど、それでも抵抗は止まない。 しかも、中国国内から移住して来た人が抵抗運動の先頭に立ったことも ある。 阿片戦争で中国の力が弱まったと思ったら、今度はフランスがやって来る。 それは阿片戦争で中国から莫大な賠償金をせしめたイギリスを見て、「俺 たちもアジアで一儲けしよう」とインドシナへの侵攻を始めたからだ。 フランスによるヴェトナムの植民地化は中国による支配よりも過酷だった。 植民地からは搾り取れるだけ搾り取る。「自由・平等・博愛」を唱えてフラン ス革命を起こした国とは思えないほどだ。 そうして先の大戦の際は日本軍が南進し、フランス・日本の二重支配と なり、ヴェトナムは更なる過酷な時代を送る。 終戦によって日本軍は撤退したが、フランスは再度インドシナを支配しよう と舞い戻って来る。そして、ヴェトナムの堪忍袋の緒が切れた。 インドシナ戦争からヴェトナム戦争へ。国内に多大な犠牲を出しながらも、 民族の独立を求める長い戦いを続けることになる。 インドシナ戦争からヴェトナム戦争の期間については本書は割愛されている。 この期間だけでいくつもの作品が書けちゃうくらいだもの。 近代まで本当に抵抗に抵抗を重ねた歴史なんだな。だから、近代兵器を 無尽蔵に使えたフランスもアメリカも、ヴェトナムから撤退せざるを得なく なったんだろう。 確か以前にヴェトナム戦争についての作品を読んだ時にも書いたと思うの だが、インドシナ戦争もヴェトナム戦争もイデオロギーの戦いではなく、民族 としての独立を確実にする為の戦いであり、ヴェトナムの人々の執念なの だろう。 それがよく表れているのが1945年9月2日に行われたホー・チ・ミンによる ヴェトナム独立宣言だろう。その一部を引く。 「われわれヴェトナム民主共和国臨時政府の閣僚は世界に向かっておご そかに宣言する。ヴェトナムは自由な独立国になる権利があり、事実、 すでにそうなっている。全ヴェトナム人民はその自由と独立を守るために、 すべての物質的、精神的力を動員し、生命と財産を捧げる決意である。」 気の遠くなるような時間を他国の支配下にありながら、あきらめることを せずに、したたかに抵抗を続けた国はヴェトナム戦争後の経済制裁を も乗り越えたんだ。 フランスもアメリカも、ヴェトナムの歴史をもう少し知っていたら引き際を 見極められたかもしれないね。
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