ハプスブルクの子供たち の商品レビュー
名門の家に生まれてしまったがために、家のために犠牲になるというのは、東洋・西洋問わずに起こる宿命であるが、どちらの女性たちにも言えることは、犠牲になりながらも、強く生き抜いたということ。現代に通じるものがあると思う。
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ええと。歴史関係の本って、著者によってものすごく解釈が分かれるんだよね、ということを再度感じた一冊でした。 特に彼女は、わりと主観を織り交ぜて文章を紡ぐ傾向があるのではないかな。例えば史実の中で、主題の人物に対して、何が重要な出来事で、何がそうでなかったか、それによってどう感じた...
ええと。歴史関係の本って、著者によってものすごく解釈が分かれるんだよね、ということを再度感じた一冊でした。 特に彼女は、わりと主観を織り交ぜて文章を紡ぐ傾向があるのではないかな。例えば史実の中で、主題の人物に対して、何が重要な出来事で、何がそうでなかったか、それによってどう感じたのか、そういうことを表現するのは作家の想像と力量による。残された当時の手紙や、資料の中から人の心を解釈する時に、書こうとしている中心人物よりの解釈になってしまうことは、時には作家の強い思い入れを感じることができるから、はまればはまるのかもしれない。でもなあ、と思う。 何が言いたいのか。えーとつまり、著者の特定の人物への思い入れを一切排除した文章なんてありえないだろうけど、その脇に寄せられた周りの人たちが悪役っぽく描かれるのはちょっとなあー、と感じたということ。他人と比較して、それを落とすことによって特定の人物の評価を上げるようなやり方は、あまり好きになれません。とくに歴史ものにおいては。もちろん、魅力的な人物は沢山描かれているんだけども。 総合的に見れば、この本がスポットを当てているのは、確かにとても興味深い人物たちばかりで、面白く読めました。特にもう一人のドン・フアン・ホセ・デ・アウストリアに関してはほとんど知らなかったので、そういう人物がいたということだけでも興味深かったです。
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