李勺光 萩焼開窯秘話 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
丁寧な言葉使いで、読んでて気持ちがいいです。 季勺光、朝鮮出身。家柄は代々窯主の生まれ。幼いころに日本から来た老坊主が茶器を作るのをみて、作り方を覚えた(この坊主は日本に送る茶器を作っていた。) 豊臣秀吉による朝鮮出兵の際、毛利の代官により拉致された。このとき、陶士一族を拉致しようとしたのを、拉致は一人で十分と言い一人だけ拉致されたいきさつがある。 拉致を言う境遇もあり、秀吉公に敵愾心を持ち、己の作った茶器で秀吉公を心服させようとした。 大阪城内の茶室や聚楽第によばれるにあたり、焼き物の話、茶の湯の話にひたり感銘をうける。各藩の勺光争奪が起こり毛利藩が策をめぐらせ、安芸に下った。 ここから、佐々木源十朗(文禄三年、勘定方に籍を置いていたが、二十七歳の時から勺光の身の回りの世話をすることになった)の覚え書きが綴られる。 日記が単文で書かれているのでとても読みやすい。また勺光をそばで見ていたものしか解らない視点なので、ほっこりしたりして面白い。人の人生を書き表したものだが、今生にない苦楽があり興味深く読める。 読了後……やられました!!勺光さん、待ってください!ちょ、まっ!って感じです。 本当に読んでいて楽しかった。これも勺光さんの人柄だろうと思うと同時に、書き残した佐々木源十朗さんにも敬意を持った。ありがとう!佐々木源十朗さん。 また読み返したい、手元に欲しい本でした。
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