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沖縄式風力発言 の商品レビュー

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2013/09/10

沖縄に関連した講演の記録。わたしは池澤夏樹がとてもすきなので、沖縄の古本屋で見つけて即買いしました。沖縄の出版社から出た本らしい。著者プロフィールつけてくれよ、あと本文のフォント馴染みなくて読みにくいよ、とかおもったけれども、地方出版社は応援していきたいなあとおもいます。 戦争が...

沖縄に関連した講演の記録。わたしは池澤夏樹がとてもすきなので、沖縄の古本屋で見つけて即買いしました。沖縄の出版社から出た本らしい。著者プロフィールつけてくれよ、あと本文のフォント馴染みなくて読みにくいよ、とかおもったけれども、地方出版社は応援していきたいなあとおもいます。 戦争が民主化して、近代化して、人間の枠には収まらなくなった、っていう文明論的説明はおもしろいなあとおもったし、ハワイイのはなしも、ハワイイ紀行読もうっておもった。まあ池澤文学もそれなりに読んできたことだし、こういうことを言っている池澤夏樹はどういうひとだろうなあってことを自分なりに考えながら読みました。池澤夏樹は、地域の共同体や土着の文化にとても関心の高いひとであり、だからこその沖縄への関心の高さがあるのだと思いますが、でも池澤夏樹自身は根無し草のようなひとで、そんな彼が地域性に対し見せるオブセッションのあり方は非常に矛盾をはらんだ、逆説的なものだとおもう。そのあたりに彼は自覚的なのかなあ、彼にとっては大きな問題ではないのだろうか、疑問におもった。あと、自然/文明、田舎/都市、などに対し、意外なまでにステレオタイプな見方をしている。共感できる部分は多々ある一方で非常に一面的ではないかと思わされるところがある。このひとがあんなに求めている多様性というもの。多様性って、それでいいのかなあ。池澤夏樹ほんとうにすきなんだけど、全面的に肯定できるかと言われるとけっこう迷いますわたしは。

Posted byブクログ