カフカの父親 の商品レビュー
15編からなる短編集。 その殆どが奇想天外なアイディアに基づいて書かれている。 例えば、自分以外理解出来ない言葉で詩を創作してしまった男……、あのカフカの父親は実は……、声というものには重さや匂い、堅さなどを持つという報告……、ゴーゴリの妻はゴム人形だった?……、殺人を...
15編からなる短編集。 その殆どが奇想天外なアイディアに基づいて書かれている。 例えば、自分以外理解出来ない言葉で詩を創作してしまった男……、あのカフカの父親は実は……、声というものには重さや匂い、堅さなどを持つという報告……、ゴーゴリの妻はゴム人形だった?……、殺人を犯しておきながら堂々巡りの思考を繰り返し……、ある朝言葉が口から飛び出してきて「意味」の変更を要求する……などなど。 ショート・ショートのようなオチがある話もあれば、正直よく判らない話もある。 残酷な話もあれば、ユーモアたっぷりの愛嬌のある話もある。 もしかしたら寓話的な意味合いが隠れていて、素直に面白がるだけではダメそうな話もある。 ちょっと理屈っぽく感じるところがたまにきずなのだが、概して面白く読み進めることが出来た。
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そこそこ頭のいい人間が屁理屈をこねまくる、あるいは埒のない考えを展開しまくる、そんな感じの短編集。 この世に存在するのか分からない言語で書いた詩を巡って展開される途方もない言語・芸術論が楽しい「無限大体系対話」、切羽詰まった状況で一つの決断を下そうとして逆に関係ないことにばかり...
そこそこ頭のいい人間が屁理屈をこねまくる、あるいは埒のない考えを展開しまくる、そんな感じの短編集。 この世に存在するのか分からない言語で書いた詩を巡って展開される途方もない言語・芸術論が楽しい「無限大体系対話」、切羽詰まった状況で一つの決断を下そうとして逆に関係ないことにばかり意識がいってあれこれ考えているうちに手遅れになる男の話「ころころ」が特に気に入った。 作者の暴走気味の世界に乗っかって行けばそれでよろし。
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昨年この作家の「月の石」に魅了されたが、びっくりのゴシックテイストからナンセンスまでの短編。表題の「カフカの父親」には「あっ!」
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