APHELION の商品レビュー
銅版画の美しさでもあり、描く方の途方もない表現の力でもあるような気がする。 銅版画のもつ線の確かさと描く方がみる世界。ひとは果たして同じ世界を見ているのだろうか。色価ひとつとってもみたものそのままを表現することは不可能である。それでも人間はあたかも同じものを共有しているかのように...
銅版画の美しさでもあり、描く方の途方もない表現の力でもあるような気がする。 銅版画のもつ線の確かさと描く方がみる世界。ひとは果たして同じ世界を見ているのだろうか。色価ひとつとってもみたものそのままを表現することは不可能である。それでも人間はあたかも同じものを共有しているかのように生きていて、その前提のもと集団生活が成り立っている。 どこにもないたどり着きたい場所。手を伸ばしても触れることの出来ない何か、見えているけど誰にも見えない景色。一番近くにいて一番不可解な存在。物言わぬけれど確かに語りかけるものたち。覚えているのに思い出せない夢・記憶。読めない言語のはずなのにわかる書物。胸をかきむしるほどのあこがれが作品にあふれ出ている。 ドローイングの作品以上に、何かこの作品群には強く探してやまない何かがあるような気がしてならない。
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