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昭和文壇側面史 の商品レビュー

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側面史というだけあっ…

側面史というだけあって、あまり知られていない情報を得ることができました。

文庫OFF

2019/09/14

横光利一や井伏鱒二と同世代の早稲田出身ということで、学生時代の彼らの思い出に始まり、石原慎太郎や五木寛之との出会いという、浅見淵が実際に見聞きしてきた大正~昭和40年までの文壇回想録。 基本的にネタの書き方が淡々としていてドライで、文壇界隈のもめ事などの件を書く時も、どちらのサイ...

横光利一や井伏鱒二と同世代の早稲田出身ということで、学生時代の彼らの思い出に始まり、石原慎太郎や五木寛之との出会いという、浅見淵が実際に見聞きしてきた大正~昭和40年までの文壇回想録。 基本的にネタの書き方が淡々としていてドライで、文壇界隈のもめ事などの件を書く時も、どちらのサイドにもつかず知り得たことを記述するスタイルがとても好感が持てる。 ・大正~昭和初期の頃に乱立した数々の文芸同人誌や雑誌類の関係者の名前や交遊が垣間見られたのが面白い(著者の出身ゆえ、早稲田系に偏っていますが。学生の頃の横光利一や、早世した梶井基次郎辺りの逸話が多いかな) ・太宰と交遊があったので彼絡みの逸話が多い ・阿佐ヶ谷会のメンバーだったのでソレ関係の思い出話もある。井伏鱒二の「荻窪風土記」に書かれたネタを別角度から眺めるようで良い。 ・戦時中、マニラに記者として派遣されていた関係で、戦地の事も書かれているのだけれど、他の文豪の著作で同じような時期の外地の随筆を読んだのと比較してもとても装飾せずありのままを書いてて面白い。(作家毎のモノを書くときの目の付け所の違いみたいな)

Posted byブクログ