眠れ の商品レビュー
「倉庫Ⅶ番の冒険と生涯」「眠れ」「ヴェーラ・パーヴロヴナの九番目の夢」の3作は非常に読みやすく、解説を読むとさらに面白みが増した。一方で、「中部ロシアにおける人間狼の問題」などは難解であった。いずれにせよ、ペレストロイカ前後からのロシアの空気感に触れられる作品集である。
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ペレーヴィンの短編集。ロシア人の文脈を持たない私には、動物が出て来る話が最も面白く思われた。解説によると、視点の変換によって物事を揺るがす手法を、ロシア・フォルマリストは「異化」と呼ぶそうだけれど、この点が日本人にも共感できる部分なのだと思う。最初の2本、「倉庫Ⅶ番の冒険と生涯」...
ペレーヴィンの短編集。ロシア人の文脈を持たない私には、動物が出て来る話が最も面白く思われた。解説によると、視点の変換によって物事を揺るがす手法を、ロシア・フォルマリストは「異化」と呼ぶそうだけれど、この点が日本人にも共感できる部分なのだと思う。最初の2本、「倉庫Ⅶ番の冒険と生涯」と「世捨て男と六本指」が最も面白く思えたのもそのためだろう。表題作の「眠れ」「ヴェーラ・パーブロヴナの九番目の夢」などを面白く読むには、ロシア社会と歴史をロシア人のように知る必要があるようだ。ともあれ、事実を変質させてファンタジックに表現することの面白さは、意欲を掻き立てられるものがある。
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なじみがないSF小説たちである。サクサクとは読めない。だが、脳をぐいぐいと押す貴重な作品たちに出会えてよかった。
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[ 内容 ] コンピュータゲームの世界と一体化した中央官庁に働く職員、自我の目覚めを経験して苦悩する倉庫、夢の中で生活する学生、死の意味をめぐって怪談を続ける子供たち…。 この時代に存在するものすべてを哲学的幻想で包み込み、意識のまどろみの中で変身話から東洋の宗教思想まで味わいつ...
[ 内容 ] コンピュータゲームの世界と一体化した中央官庁に働く職員、自我の目覚めを経験して苦悩する倉庫、夢の中で生活する学生、死の意味をめぐって怪談を続ける子供たち…。 この時代に存在するものすべてを哲学的幻想で包み込み、意識のまどろみの中で変身話から東洋の宗教思想まで味わいつくす作品をつぎつぎと生み出すロシア新世代の作家ヴィクトル・ペレーヴィン。 20世紀の終りに現われた異才の浮遊する世界。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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懐かしいPCゲーム“プリンス・オブ・ペルシャ”とソ連時代のゴスプランがまぜこぜになった世界での官僚社会「ゴスプランの王子さま」は面白い。あのかしゃかしゃいうはさみ、ぐらつく石、えびぞりジャンプ、読めばそれとわかる文章。その中で働く青年。面白い短編集だ。
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