科学哲学 の商品レビュー
140222 中央図書館 物理学に特化した科学哲学の歴史的俯瞰。アリストテレスやマッハからクーン、ウィトゲンシュタインまで幅広い。
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科学の対象は、日常の生活世界の中で私たちのに知覚に与えられる現象そのものではなく、数学的・記号的に表現されるような自然現象の抽象的な属性だと著者は主張する。こうした立場から、マッハのような現象論的還元主義の立場や、観察言語と理論言語をはっきり区別することができないという洞察に依拠...
科学の対象は、日常の生活世界の中で私たちのに知覚に与えられる現象そのものではなく、数学的・記号的に表現されるような自然現象の抽象的な属性だと著者は主張する。こうした立場から、マッハのような現象論的還元主義の立場や、観察言語と理論言語をはっきり区別することができないという洞察に依拠したクワインのホーリズムの立場、さらにはハンソンの観察の理論負荷性やクーンの科学理論の共約不可能性の主張に基づく相対主義に対して批判が展開される。 本書は一貫して、著者自身の科学哲学上の立場である実在論の観点から、他の立場に対する批判が展開されており、その意味では必ずしもバランスの取れた科学哲学の入門書とは言い難いかもしれない。その一方で、デカルト自然学以降の西洋近代科学史に精通している著者だけあって、科学哲学的な理論的考察が一人歩きすることはなく、たえず西洋近代科学史のじっさいの歩みを参照しながら議論が進められている。こうした意味で、本書をきわめてバランスの取れた科学と哲学の解説書と評することも可能だと思う。
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疑似科学をやっつけるための基礎知識てんこ盛り。よくある批判とそれに対する反批判が盛り込まれているのがありがたい。物理学が産んだ知識の妥当性について重点的に説かれています。
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