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カメラメカニズム教室(上) の商品レビュー

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2017/04/14

NIFTYのSNIKONでよくお見かけした金野剛志氏が本を出すというので買って、それから20年積んでおいた本。我が家の紙の本資源は無限か? カメラのメカニズムとその歴史の両方を知ることができる。デジカメの時代にも共通する要素は多い。 上巻はカメラの種類、フィルム巻き上げ、ファ...

NIFTYのSNIKONでよくお見かけした金野剛志氏が本を出すというので買って、それから20年積んでおいた本。我が家の紙の本資源は無限か? カメラのメカニズムとその歴史の両方を知ることができる。デジカメの時代にも共通する要素は多い。 上巻はカメラの種類、フィルム巻き上げ、ファインダー、焦点合わせ、シャッターといった内容。 AF一眼の位相検出方式はスプリットイメージを機械がやってるというイメージで、ではスプリットイメージはどういう原理かというと、レンズの中心から離れた2か所から入った光が、焦点面でクロスすることを確認する仕組み。 要は、レンズの直径のなかで基線長を確保した三角測量。同じF値で焦点距離が長くなると直径が大きくなるので、精度が必要な望遠レンズでは基線長が増えるという合理的な面がある。 レンズの直径が狭いと当然基線長が確保できなくなるので、AFはおおむね開放F/5.6まで、ギリギリF/6.3が使えるということになる。最近のカメラはF/8で使えるセンサーも用意していることがあるが、当然F/5.6用より精度は落ちる。 レンズの収差で端を通ってきた光と中心を通ってきた光で焦点が違うことがあるので、AFでピント合わせたのにシャッターを切ったら後ピンだったという話は割とある(この場合はF/5.6で合わせたピントに対しF/2とかのより絞りを開けたときの光が違う位置に結像してしまうという話)。すわ故障かとサービスに持ち込む前に、レンズの収差とピント合わせの仕組みについて調べてみることをお勧めする。 なお、カメラによってはレンズごとの収差を考慮して合焦から露出までの時間にピントを微調整するものがあると噂に聞く。手持ちのカメラでそのような挙動を示したというのは記憶にない。本書の下巻はレンズの話があるので、そちらで何か分かるかもしれない(メカニズム教室につきレンズの章はありませんでした。)。

Posted byブクログ