おすもうさん の商品レビュー

琴剣淳弥(著者)

2017/11/19

作者は佐渡ヶ嶽部屋の元力士・琴剣。
え？作者？監修とかじゃなくて？と思ったら、10年間の現役生活の後、子どもの頃からの夢であった漫画家に転身したという、異色の経歴の持ち主だったのですね琴剣淳弥さん。

本物のおすもうさんによる「おすもうさんの一日」。
若い力士たちが雑魚寝する大部屋の様子や、稽古場で日々繰り広げられる厳しい稽古の模様、和気あいあいとしたちゃんこ場の一場面などが、時にコミカルに、時に大迫力で、そして時に美しく描かれています。
誰かひとり主人公がいるのではなくて、紙面にいる全員が主役という感じ。それくらい表情が描き込まれているんです。所謂「モブ」がいない。おすもうさんの中には、横綱まで上り詰める人もいれば、幕下のまま廃業していく人もいる。だけどそのひとりひとりに、夢や苦労やドラマがあるんだよな……と、じーんと来ました。

おすもう見に行ってみたいなあ。