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宗教詩人 宮沢賢治 の商品レビュー

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2022/04/23

丹治昭義 「宗教詩人 宮沢賢治 」 難解な「春と修羅」の序文を解明し、「雨ニモマケズ手帳」から大乗仏教に基づく宮沢賢治の思想を体系化した良書。詩人たちの賢治詩論と異なり、「雨ニモマケズ」を積極的に賢治論の中に取り入れいる タイトルの意味は、法華経の啓蒙詩人ということでなく...

丹治昭義 「宗教詩人 宮沢賢治 」 難解な「春と修羅」の序文を解明し、「雨ニモマケズ手帳」から大乗仏教に基づく宮沢賢治の思想を体系化した良書。詩人たちの賢治詩論と異なり、「雨ニモマケズ」を積極的に賢治論の中に取り入れいる タイトルの意味は、法華経の啓蒙詩人ということでなく、誤った人間観を宗教により変えようとした詩人という意味。 この本の主題は、「わたくしという現象は〜」と「デクノボー」をキーセンテンスとして、賢治がどのような人間観を持ち、どのような芸術観を持ったのかを紐解くこと 賢治の芸術観については、詩人たちの賢治詩論と差異は感じないが、「輪廻転生」「無我〜自我(本体)は存在しない」という人間観を、心象スケッチ(現象のスケッチ=生活や生命の描写)とつなげ、ことばで理論化できない詩の姿から、人間と世界の直観性を見出している

Posted byブクログ