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不確かな存在たち の商品レビュー

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2019/10/28

"一般に「心の障害」というと、まだ、「特別な人の病気」という捉え方がなされているのではないだろうか。しかし、じっさいにはごく普通に暮らしているごく普通の人々が、さして珍しくもない出来事がきっかけで心の障害を抱え、外から見ると不可解としかいいようのない状態に陥ってしまうこ...

"一般に「心の障害」というと、まだ、「特別な人の病気」という捉え方がなされているのではないだろうか。しかし、じっさいにはごく普通に暮らしているごく普通の人々が、さして珍しくもない出来事がきっかけで心の障害を抱え、外から見ると不可解としかいいようのない状態に陥ってしまうこともある。"(はじめにより) 多くの場合、トラウマとされる出来事をなんとか乗り越えていく人もいる中で、なかなか乗り越えられなかったり、乗り越えたつもりでも心がそれによって傷ついたままの人がいる。そして、心の障害になる。中にはそのために命を落とす人までいる。 本書では、多重人格から始まり、全健忘症、転換性障害、PTSD、拒食症、醜貌恐怖症、セックス嫌悪症、女性恐怖症、ボーダーラインと言った数々の心の障害について扱う。よく聞く鬱病や、昔で言うところの精神分裂病(統合失調症)についてはあまり触れられていないが、主になんらかのトラウマに起因して発生するさまざまな心の障害について、実例を紹介しながら、どうしてそのような心の障害に陥ってしまったのかや、町澤医師による治療の流れなどについて見ていく中で、人の心の不確かさやセンシティブさを目撃していくことになる。 実際にこの様な精神的な病気になり掛けていて、心の病に戸惑っている方やそのご家族にはオススメ、ただし、登場する実例の中には自死を選択するケースも多々あるため、これが現実とは言え心が不安な状態で読むのは"きつい"可能性もあるので注意。 個人的にはとても参考になった。 ※余談だが、タイトルにも登場する精神科医の名前は、「町澤静夫」氏です。漢字が違うようです。

Posted byブクログ