開拓農民の記録 の商品レビュー
開拓する前の様子や、…
開拓する前の様子や、現在はどうなっているかなど。
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明治維新から戦後まで、開拓農民の歴史を丹念に追った力作。ここでも浮き彫りになるのは、『推進すすのは国、責任を取るのは個人』という構図である。 北海道の屯田兵も、満蒙開拓も、甘言をもって募集したものの、長期的展望の無いまますすめられ、度重なる方針の変更や場当たり的な指導が、最...
明治維新から戦後まで、開拓農民の歴史を丹念に追った力作。ここでも浮き彫りになるのは、『推進すすのは国、責任を取るのは個人』という構図である。 北海道の屯田兵も、満蒙開拓も、甘言をもって募集したものの、長期的展望の無いまますすめられ、度重なる方針の変更や場当たり的な指導が、最後まで開拓農民を苦しめる。今となっては信じがたい話だが、計画段階で営農経験者が全くいないという事実。もちろん、農業未経験者が大半なのにもかかわらず、まともな指導は行われていない。 もちろん、戦後の引き揚げ民も、その多くが新たな開墾地に入植するも、成功するものは『例外的』でしかない。戦後と言わず、つい10年前まで『パイロット農場』などと銘打って実施されていた中山間地開発ですら、そのほとんどが耕作放棄され入植者には多額の借金だけが残っている。 現在はさすがに『開墾/開拓』という局面は無くなっているが、その構造自体は時折顔をのぞかせていると思うのは、ボクだけだろうか?
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