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最後の公爵 愛新覚羅恒煦 の商品レビュー

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2009/10/04

清朝皇室の嫡流から枝分かれ(第七代皇帝・嘉慶帝の兄弟・栄純親王の末裔)した奉恩鎮国公家の最後の当主・愛新覚羅恒煦(アイシンギョロ・コウク)の生涯。 恒煦氏が奉恩鎮国公を嗣いだのは辛亥革命の直後で、既に中華民国となっていましたが、清朝の旧皇族・貴族たちはまだしばらく旧来の待遇での...

清朝皇室の嫡流から枝分かれ(第七代皇帝・嘉慶帝の兄弟・栄純親王の末裔)した奉恩鎮国公家の最後の当主・愛新覚羅恒煦(アイシンギョロ・コウク)の生涯。 恒煦氏が奉恩鎮国公を嗣いだのは辛亥革命の直後で、既に中華民国となっていましたが、清朝の旧皇族・貴族たちはまだしばらく旧来の待遇での生活が保障されていた時期です。 恒煦氏も大総統・袁世凱の許可で公爵位を嗣ぎ、ラストエンペラー溥儀に仕えていました。 しかし民国期の混乱による溥儀の紫禁城からの追放、満洲族への差別、歴代清朝皇帝の陵墓の盗掘などに遭遇し、中華民国に対する彼ら満洲族の憤慨ぶりを綴っています。 ただし恒煦氏は日本による満洲国建国には反対で、満洲事変以後は溥儀と訣別し、中国における満洲族の平等待遇要求運動と、満洲語の研究に打ち込んだ方です。 そして著者の愛新覚羅烏拉煦春(アイシンギョロ・ウルヒチュン)さんはこの恒煦氏の孫娘で、 現在は日本に居住して満洲語の研究をなさっておられます(ちなみにこの本の訳者は烏拉煦春さんのご主人)。 革命後の満洲族の境遇の変遷や、満洲事変当時の彼らの苦悩・選択を知るうえで役立つ一冊です。 ただし・・・、著者の烏拉煦春氏は恒煦氏やその息子(つまり烏拉煦春氏の父)を名前でなく、「祖父」「父」と呼んでますので、読み手にはいささか読みづらいです(汗  「祖父の祖父の部下が、当時まだ幼い父を〜に連れて行った。」 などという文章を見ると、そこで言う「父」というのが「著者の父」なのか?「祖父の父」なのか?判断に迷う場面が多々あります。 まあ、文脈全体でなんとか判別できますが。 しかし著者にとっては祖父や父でも、伝記の性格を持ち、他人に読ませることを意図した書物なのだから、ちゃんと名前で呼んで欲しいですねw ニン、トン♪

Posted byブクログ