せい子・宙太郎(上) の商品レビュー
葬儀屋に住み込みで働…
葬儀屋に住み込みで働く「せい子と宙太郎」夫婦の周りで起こる様々な日常が、面白くそして哀しく描かれています。読んでいると何回もホロリとさせられてしまうでしょう。
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「向田邦子」原作の『せい子・宙太郎』を読みました。 『冬の運動会』、『森繁の重役読本』に続き「向田邦子」作品で、本作品も『冬の運動会』同様にドラマ向けに書かれた放送台本を「中野玲子」が小説化した作品です。 -----story------------- <上巻> 神田駿河台の...
「向田邦子」原作の『せい子・宙太郎』を読みました。 『冬の運動会』、『森繁の重役読本』に続き「向田邦子」作品で、本作品も『冬の運動会』同様にドラマ向けに書かれた放送台本を「中野玲子」が小説化した作品です。 -----story------------- <上巻> 神田駿河台の葬儀屋「ヌマキ葬祭総業」に住込みで職く「恩田宙太郎」、「せい子」の夫婦。 二人には六年前、二十歳のひとり息子「高志」を急な病いで亡くした悲しい過去があった。 「高志」と同い年の「玉木」家の長男「大吉」は「高志」のかつての婚約者「有子」に好意を持っている。 それを知って揺れ動く夫婦の心…。 優しく温かく切ない涙と笑いの下町人情物語。 <下巻> 葬儀屋「タマキ葬祭総業」の主人夫婦と、ときには反目し、いがみ合いつつも助け合ってきた住み込みで働く「宙太郎」と「せい子」夫婦。 ある日主人の「参平」に愛人がいることがわかって、「玉木」家の三人の子どもたちと一計を巡らした二人は…。 家庭問題、会社の経営難など、日常のさまざまな事件もほのぼのと描く「向田」ドラマ決定版の小説化。 ----------------------- 本作品は『せい子宙太郎-忍宿借夫婦巷談(しのぶやどかりめおとこうだん)』として1977年11月16日から1978年5月10日までTBSで放送されたテレビドラマが原作となっており、以下の16篇の連作になっています。 (テレビドラマでは、それぞれが一話になっていたのかな) <上巻> ■もぐりの葬式 ■かくし芸 ■ツユ子さん ■虎の義眼 ■コマ ■絵馬 ■手切れ金 ■カモ <下巻> ■支店長 ■引っ越し ■雛人形 ■引き抜き ■八ヶ岳 ■変化 ■危機 ■ヤドカリ 笑いあり、涙ありの、心温まる下町人情ドラマで、特に『もぐりの葬式』と『かくし芸』は、読んでて泣けましたねぇ。 イイですねぇ、こういう物語… 大好きです。 「宙太郎」と「せい子」は、実際にはありそうになりけど、ある意味、理想の夫婦像なんだと思いますね。 「向田邦子」は、こんな良い脚本を、もっともっとたくさん書いて欲しかったですねぇ。 「武田鉄矢」のテレビドラマ初出演作らしいです。 イメージからすると、長男の「大吉」役かなぁ。 以下、テレビドラマの主な出演者です。 (「宙太郎」役が「小林桂樹」、妻の「せい子」役が「森光子」以外は役柄不明… ) 森光子 小林桂樹 武田鉄矢 伴淳三郎 加藤治子 樹木希林 真野響子 潮健志(潮健児) 遠藤太津朗 山本伸吾 五十嵐めぐみ 三田明 小松政夫 下元勉 伊藤咲子 みなみらんぼう 井上三千男 小松 政夫 杉元ふじ子 のぐちともこ(小菅秋) 一度、観てみたいなぁ…
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再読。人情というと温かなイメージがあるが、向田さんの描く人情には少し暗めな哀しさがある。登場人物の誰もが天真爛漫な明るさだけでなく、何か傷を負いそれを隠しているからだろう。その傷が他者への優しさとなり、哀しみを生むのだと思う。この人が長生きをして書き続けてくれたら、一体どんな小説を書いてくれたのだろうと想像するだけで泣けてくる。
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神田駿河台の葬儀屋「タマキ葬祭総業」で住みこみで働くせい子と宙太郎。6年前に急死した彼らのひとり息子とその婚約者、玉木家の主人夫婦、その3人の子供たち、主人の2号さん、ちゃらんぽらんな宙太郎の弟。いろんな人が交じり合って織り成す人間模様。 なんだかほのぼのする話。ただただ正直に...
神田駿河台の葬儀屋「タマキ葬祭総業」で住みこみで働くせい子と宙太郎。6年前に急死した彼らのひとり息子とその婚約者、玉木家の主人夫婦、その3人の子供たち、主人の2号さん、ちゃらんぽらんな宙太郎の弟。いろんな人が交じり合って織り成す人間模様。 なんだかほのぼのする話。ただただ正直に生きて損ばかりしてきたせい子と宙太郎。家もなく、お金もなく、子供もいなく、でもなんだか小さな幸せを持っていて。 方丈記の「思いもうけて食うが故なり」がこの本の中にもでてきました。
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