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脱原子力社会の選択 の商品レビュー

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2011/09/28

今こそこの本を読んで、東電と原発にさよならしよう。私のバイブルかも。原子力発電はあぶないと思ってはいた。東京電力などによる地域独占の電力会社が発電から送電、配電まですべて行う現在の電力供給体制も、なんだかなと思ってはいた。しかし、自分が生きているうちに、こんな事故がおこり、事故処...

今こそこの本を読んで、東電と原発にさよならしよう。私のバイブルかも。原子力発電はあぶないと思ってはいた。東京電力などによる地域独占の電力会社が発電から送電、配電まですべて行う現在の電力供給体制も、なんだかなと思ってはいた。しかし、自分が生きているうちに、こんな事故がおこり、事故処理にあたっている東電や原子力安全保安院の対応、政府や原子力安全委員会の記者会見などを見ていて怒りを覚えるとともに、こんな事態を招いたのはなぜなんだろうと疑問に思う。この本によると、アメリカのカリフォルニア州の州都サクラメント市は、住民投票でランチョ・セコ原子力発電所を閉鎖することに成功した。さらにサクラメント市に電力を供給するのは、東電のような電力会社ではなく、株主である市民の利益を第一に考えたサクラメント電力公社なのである。公社の経営なら、かつての国鉄や電電公社のように赤字やサービスの低下がおこるかと言えばそんなことはなく、しっかりと市民が監視しているから、安全で安い電気を供給してくれるのだ。さらに省電力発電という、意表をつくけれどまっとうなことをやり、各家庭での太陽光発電や省電力タイプの冷蔵庫の普及運動までもやってしまうのだ。世界では、いかに原子力発電が時代遅れになっているかもしめされている。もっともこの本は1996年発行のため、原子力ルネッサンス以前の情況だが、今回の東電の原子力発電所事故で、原子力ルネッサンスなんか幻想だったということが明らかになった現在では、ここの書いてある通りの情況といってよいだろう。あわせて日本がどうしたらよいかという提言も示唆に富む。電力会社も発電、送電、配電部門などに細かくわける方法や、イギリスのように電力プール方式にするなどし、市民の電力とすべきと述べている。そうすることで、原子力発電をやめても電気に私たちは困らないのだ。今こそ、長谷川公一先生のこの本を読んで、これからのエネルギーのあり方を考え、行動して行きたいと思う。

Posted byブクログ