いちばん初めにあった海 の商品レビュー
二つの中篇が、互いを補うような形になっていて、二つとも読むと、ああ、なるほどなーとなっとくできました。相変わらずやさしいお話です。
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心の底から、優しい本(もとい、作家さん)。 読み手を翻弄してひきつけるような構成ではなく、 予定調和以上の結末に「出来すぎだ」と感じることがあっても 嫌らしさを感じないのは、きっと とても地に足の着いた、現実的な展開だからなのでしょう。 優しいほのぼのとした雰囲気と、あくまで...
心の底から、優しい本(もとい、作家さん)。 読み手を翻弄してひきつけるような構成ではなく、 予定調和以上の結末に「出来すぎだ」と感じることがあっても 嫌らしさを感じないのは、きっと とても地に足の着いた、現実的な展開だからなのでしょう。 優しいほのぼのとした雰囲気と、あくまで現実的な視点の、バランスが素敵。 初読は図書館にて。それこそ本の溢れる書棚から、綺麗な装丁の背表紙が 「読んでみて、たぶん面白いから」とさりげなく自己主張しているようでした。 他にも好きな本や作品がたくさんありますが、 読み返すたびに未だに泣かされることから、 そして加納作品との出会いの1冊であることを祝して、☆5つ。
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とあるSNSのコミュニティでも好きだと挙げた方がとても多かったので読んでみた。 「てるてるあした」などもそうだが、加納作品はミステリアスだけど、やたら殺人が起こったりするおどろおどろしさとは無縁。 この作品も優しい読後感の良い作品だった。 表題作「いちばん初めにあった海」と...
とあるSNSのコミュニティでも好きだと挙げた方がとても多かったので読んでみた。 「てるてるあした」などもそうだが、加納作品はミステリアスだけど、やたら殺人が起こったりするおどろおどろしさとは無縁。 この作品も優しい読後感の良い作品だった。 表題作「いちばん初めにあった海」と「化石の樹」の2話が収められているが、この二つの話は二つ揃ってはじめて一つの作品ととらえられた。 「いちばん初めにあった海」を最後まで読んで、消化不良を感じた点を「化石の樹」ですっきりさせてくれる。 記憶を封印してしまうほどに傷ついた千波には、私はあまり共感できなくて、物語に入り込めなかったのだが、語り手の男性の目から見た“事件の真相”がひっそりと張られた伏線を回収しながら進んでいく「化石の樹」の方が個人的には好きだった。
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ねえ――。 いっとう初めにふってきた、雨の話をしようか。 それとも、いちばん最初に地球にあった、 海の、話を……。 この書き出しにぐっと胸を掴まれました。「いっとう」という語がいいなあ。加納さんの本は、いつもどこかに心惹かれる語句や文があります。 この本には二つの独...
ねえ――。 いっとう初めにふってきた、雨の話をしようか。 それとも、いちばん最初に地球にあった、 海の、話を……。 この書き出しにぐっと胸を掴まれました。「いっとう」という語がいいなあ。加納さんの本は、いつもどこかに心惹かれる語句や文があります。 この本には二つの独立した話が収録されていて、まったく別の話として読むこともできるのですが、共通する登場人物がいて、二つで本当に完成するという構成になっています。 どちらも主人公の現状が小出しになればなるほど謎が出てきて、謎がほどけていく過程すべてに、穏やかな波のようなゆるりとした流れを感じられる素敵な話。 YUKIのように友情をつかえるといいなあという憧れも持ちました。つかうというのは変な表現かもしれないけど、単に友達を大事と思うだけじゃなくて、どう大事にするかという手段もね、友情の重要な要素だと思うのです。 主人公の傷よりも救いの描写が先行する雰囲気は、手ぬるいような印象もありますが、この話は温かみ優先ということでいいのかなとも思います。傷の痛みの描写が甘い分、救いのありがたみが薄くなっているのが残念といえば残念ですがね。
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○2008/05/18 うん、いい。2作の短編(で、いいのかな?)だけど、これは繋がってるのかそうでないのか…気になる。というか、繋がってる…よね。だといい。 表題作は、伏線の張りかたがほんとに好きだなぁと思う。暗い話なのかと思ったけど、そんなこともない。 作中の本と手紙、って...
○2008/05/18 うん、いい。2作の短編(で、いいのかな?)だけど、これは繋がってるのかそうでないのか…気になる。というか、繋がってる…よね。だといい。 表題作は、伏線の張りかたがほんとに好きだなぁと思う。暗い話なのかと思ったけど、そんなこともない。 作中の本と手紙、ってことだったけど、駒子シリーズとはまた全然違ってずしっとしっとりしていて、いくつもシーンが間に入るのも気にならない。 でも、特に二作目の化石の木がよかった。巡り巡っていい話というか、さりげなさが加納さん。珍しい感じの男性視点の独白もなかなか面白かった。
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『コッペリア』を読んだ時と同じ鳥肌。 やっぱり加納さんの作品は、こういうテイストが好き。 読み込みたい作品が多い。
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二人の女性の再生の話・・・ということは、化石の樹はYUKIの物語なのかしらん?なんとなく好きです。大切にしたい一冊。
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この人が書くお話はミステリーと言われるけれど、こんなにも切なく暖かいミステリーを書く人は他にいないと思う。 まるで赤ちゃんのおくるみみたいに、本当に柔らかくて優しい物だけを集めて作られた感じがする。 謎解きは衝撃ではなく、納得と切なさを与えてくれる。 『−ええねん』 ...
この人が書くお話はミステリーと言われるけれど、こんなにも切なく暖かいミステリーを書く人は他にいないと思う。 まるで赤ちゃんのおくるみみたいに、本当に柔らかくて優しい物だけを集めて作られた感じがする。 謎解きは衝撃ではなく、納得と切なさを与えてくれる。 『−ええねん』
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2/25 題名と表紙に気を引かれて。すごくきれいなお話でした。気に入ったので、また文庫本を買おうかと。
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2006.04. 1度目に読んだときは、(あらら、加納さんなのにちょっと期待はずれかも)と思ったけど、今回1度読んでみたら違った。なんだか、胸にじんときた。主人公は、不幸せが重なって声が出なくなってしまったけれど、実は幸せが隠れていたんだ。同時収録されているものも、心温まる。 ...
2006.04. 1度目に読んだときは、(あらら、加納さんなのにちょっと期待はずれかも)と思ったけど、今回1度読んでみたら違った。なんだか、胸にじんときた。主人公は、不幸せが重なって声が出なくなってしまったけれど、実は幸せが隠れていたんだ。同時収録されているものも、心温まる。 2005.2.3. イメージと違って残念だったような。表題は、えっと、誰が誰やっけ…とか思ってしまい、印象が薄いよ。「化石~」はイタい設定やったのかもです。★2つ
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