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フランケンシュタイン伝説 の商品レビュー

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2021/10/26

メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』を鼻祖として 脈々と語り継がれる人造人間の恐怖を扱った ホラー・アンソロジー全12編。 収録作は  ロベルタ・ラネス「完成した女」  R・チェットウィンド・ヘイズ「創造主」  マンリー・ウェイド・ウェルマン「追放猿人」  リサ・モートン...

メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』を鼻祖として 脈々と語り継がれる人造人間の恐怖を扱った ホラー・アンソロジー全12編。 収録作は  ロベルタ・ラネス「完成した女」  R・チェットウィンド・ヘイズ「創造主」  マンリー・ウェイド・ウェルマン「追放猿人」  リサ・モートン「パパの怪物」  バジル・コパー「死の幸福論」  グレアム・マスタートン「母の秘密」  エイドリアン・コール「フランケンシュタイン伝説」  ピーター・トリメイン「フランケンシュタインの猟犬」  カール・エドワード・ワグナー「引き波」  ブライアン・ムーニー「チャンディラ」  ポール・J・マッコリー「誘惑の手」  ダニエル・フォックス「理性の眠り」 ――で、本家に直接着想を得た後日談風の物語あり、 脳外科手術の恐怖を扱ったホラーあり、 デザイナーベビーを題材にしたSFあり。 面白かったのは幻想文学調の「チャンディラ」と 「誘惑の手」。 なかなか結構な拾い物であった。 「チャンディラ」  老ローアンは若い頃、  植民地時代のインドで行政官を務めていた折、  自称二百歳の聖者アディタヤに出会った。  しかし、アディタヤは一般人が想像するような  禁欲的な生活を送っているわけではなく、  何人もの女性と結婚、離死別、再婚を繰り返し、  過去の妻たちの特徴・取柄を列挙するのだった。  現在の妻チャンディラはヴェールで顔を隠していたが……。 「誘惑の手」  18世紀末ヴェネツィア。  妻と共に娘の喪に服すステイン医師だったが、  まだ娘は行方不明なだけで、  どこかで生きているのでは……と、  一縷の望みに縋っていた。  医師は気を紛らすべく  夜警隊長ヘンリー・ゴラルの助手として随行し、  運河に浮かんだ死体の検視をしていたが、その頃、  街ではドクター・プレトリウスと名乗る怪しい人物が  見世物を行っていた――。  ※プロイセンを追い立てられるようにして   ヴェネツィアへ移ったユダヤ人ステインと、   同じくエトランジェである英国人ゴラルの間に、   うっすらと   共感・連帯の意識が芽生えているところが美しい。

Posted byブクログ