カタロニア カザルスの海へ の商品レビュー
2021.10.10市立図書館 NHKの衛生第2で1995年に放送された番組「世界・わが心の旅」でカザルスの足跡をたどった記録に、そののち追加の取材を加えてまとめられ、1996年のカザルス忌(10月22日)に刊行された。 巻頭には取材旅行でたずねたスペイン、プエルトリコの地図。本...
2021.10.10市立図書館 NHKの衛生第2で1995年に放送された番組「世界・わが心の旅」でカザルスの足跡をたどった記録に、そののち追加の取材を加えてまとめられ、1996年のカザルス忌(10月22日)に刊行された。 巻頭には取材旅行でたずねたスペイン、プエルトリコの地図。本文も写真図板多数。カザルスの伝記的事実とともに大航海時代の新大陸発見にまつわる事実、第二次大戦前後のスペインを中心とした情勢の勉強にもなった。 結びの言葉を読んだ今、あんのさんはどのようにして人生をおえて海に出ていかれたのだろうか、と思いをはせる。 この夏、父が長年くらした家を無言で出ていく最後のときには、まさにちょうどロストロポーヴィチの弾くバッハの無伴奏チェロがラジオから聞こえていて、それがなによりの餞だと胸がいっぱいになったことを思い出す。 *** 若き日のパブロ・カザルス スペイン戦争 ゲルニカ プラード マルティータ プエルトリコ 死、そしてカタロニア帰郷 あとがきにかえて
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私の心の師である野口晴哉さんが「唯一の師」と仰いだと云われる カザルスの足跡を訪ねた安野光雅さんの本、ということで手にとった。カザルスのことをよく知らないままに読んだので、断片的に少し知れたくらいだけど、それ以上に安野さんの旅への情熱がよく伝わってきた。安野さんのスケッチや旅の本...
私の心の師である野口晴哉さんが「唯一の師」と仰いだと云われる カザルスの足跡を訪ねた安野光雅さんの本、ということで手にとった。カザルスのことをよく知らないままに読んだので、断片的に少し知れたくらいだけど、それ以上に安野さんの旅への情熱がよく伝わってきた。安野さんのスケッチや旅の本はどれもそう。ほんとうに心で旅をされている方だと思う。この本では後半のプエルトリコの道中の記述が面白かった。
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安野光雅が生まれた津和野は私の故郷、益田から1時間のところにある。カザルスが好きなので、読み始めたが、本にある挿絵にも興味を持ち、カザルスのことを想像しながら模写を始めた。 これもすごく楽しい。
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いちばん好きなチェリスト、カザルス。 カザルスが「鳥の歌」という名前の家に棲んでいたこと、 父親がバイオリン以外の楽器ならなんでもいいといって チェロを習わせたのだけれど、バイオリンの初心者の音を鳴らすには 家があまりに小さすぎたことが理由だったこと、 ゲシュタポにヒト...
いちばん好きなチェリスト、カザルス。 カザルスが「鳥の歌」という名前の家に棲んでいたこと、 父親がバイオリン以外の楽器ならなんでもいいといって チェロを習わせたのだけれど、バイオリンの初心者の音を鳴らすには 家があまりに小さすぎたことが理由だったこと、 ゲシュタポにヒトラーの御前演奏を頼まれたとき、リウマチを理由にして 断ったことなど、カザルスのエピソードがたくさんあって、 巨人の等身大の姿が感じられました。 絵もとても素敵です。
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