誰にもできる殺人 の商品レビュー
手記を連作形式で発表…
手記を連作形式で発表していき、最後にでんぐり返し。傑作!
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
山風の推理もの、ということで、「夜よりほかに聞くものもなし」に続いて手に取る。 短編連作かつ、一応全体を貫くストーリーもある。 その名も人間荘という下宿を舞台にした、殺人もの。 ではあるが、フーダニットではなく、もっと裏にある、細かなところに推理を働かせる必要がある。 半分以上読み進んだところで、このペースでは下宿全員は登場しないのでは、と心配になったが、やはりそうだった。 でも第一話にあった2階の登場人物は全員出てきた。もう出ないかと思った脇坂さんも。 山本タカトさんのイラスト表紙で読んだが、どれが誰なのか気になる。 真ん中は志賀悠子だとして、両脇の2人はだれー? 山名さん、座光寺さんだけなんとなくわかった。 昭和20年代、この空気が怖すぎます。 やっぱり生きてる人間より怖いもんはないよね、といつもの感想。 エログロを無理に見せなくてもあちこちに香る山風ムードに笑った。 第一話の主役に名前がないのは何かのトリックかと思った。 とにかく話がさくさく進むのであっという間に読み終えた。 この作品、私にはけっこう面白かったのだけど、近刊では「棺の中の悦楽」という作品と同時収録らしく、わりとそちらの方が評価が高いぽい。 そっちが気になってきた。
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風太郎読者なら犯人やトリックは大方見当がつくものの(大衆小説であるし)、根底にあるメッセージや文体の力強さはやっばり唯一無二。一冊のノートを通して組み立てられた構成もさらっと描いているようで唸らせられます。 何といっても廣済堂出版の文庫は山本タカトの表紙がいい!
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