白ちゃん家族のラブ・ストーリー の商品レビュー
著者は、関西学院大学で社会学を教える大学教員です。阪神・淡路大震災の後、「白ちゃん」と名づけられることになる猫を飼うことになり、やがて生まれてきた子猫たちといっしょに暮らす毎日が綴られています。 著者にとっては可愛くてたまらない猫たちなのでしょうが、読者にとってはよその猫にすぎ...
著者は、関西学院大学で社会学を教える大学教員です。阪神・淡路大震災の後、「白ちゃん」と名づけられることになる猫を飼うことになり、やがて生まれてきた子猫たちといっしょに暮らす毎日が綴られています。 著者にとっては可愛くてたまらない猫たちなのでしょうが、読者にとってはよその猫にすぎないのですが、どうもその辺りのことが十分に踏まえられていないような印象を受けます。本書の中に何度か村松友視の『アブサン物語』(河出文庫)が引用されていますが、猫への愛情を突き放して描いた村松の文章との違いは明らかです。おそらく著者は、学術論文のような文章は苦もなくかけるのでしょうが、本書のようなエッセイの執筆には慣れていないのではないかという気がします。
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