山妣 の商品レビュー
「明治末期、東京からやって来た旅芸人が静かな越後の山村に嵐を巻き起こした。その男の肉体に隠された秘密、そして地主の若夫婦との間に芽生えた密やかな三角関係が、伝説の中から山妣の姿を浮かび上がらせる(帯より)」。 第116回直木賞受賞。長い長い読み応えのある小説。いろいろな人物の目線...
「明治末期、東京からやって来た旅芸人が静かな越後の山村に嵐を巻き起こした。その男の肉体に隠された秘密、そして地主の若夫婦との間に芽生えた密やかな三角関係が、伝説の中から山妣の姿を浮かび上がらせる(帯より)」。 第116回直木賞受賞。長い長い読み応えのある小説。いろいろな人物の目線から書かれているため、どの人物に感情移入するかは読み手に任されているが、私は映画を見るように情景を思い浮かべながら次にあの人物はどのような行動をするのだろう、何が起こるのだろうと、読んだ。ほとんど休むことなく一気に読んでしまった。ほどよい緊張感が全体にあって読後もすっきり。直木賞納得の作品。
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ホラー嫌いの僕を「死国」「狗神」ではまらせた坂東ワールドですけど、伝奇と片付けられない描写の丁寧さがあります。この「山姥」も明治時代の山村を描く作品なんですが・・意外性や人間関係をうまく組み合わせてます。ただし、ラスト近くは殺し過ぎ・・登場人物に感情移入してるとばっさりなんだから...
ホラー嫌いの僕を「死国」「狗神」ではまらせた坂東ワールドですけど、伝奇と片付けられない描写の丁寧さがあります。この「山姥」も明治時代の山村を描く作品なんですが・・意外性や人間関係をうまく組み合わせてます。ただし、ラスト近くは殺し過ぎ・・登場人物に感情移入してるとばっさりなんだから・・女性作家は冷酷?(笑)
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東北弁が多少読みづらかったけれども、物語には引き込まれた。 登場人物が3部でつながっていく。 なんて運命の引き合わせなのかなぁ。 会いたい人は山妣の一生から消え去ってしまったのに。 切なくなる女性の運命。
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長編ですがテンポが早く、スラスラ読めました。近親相姦という苦手なテーマもありましたが、大好きな男女同性があったので、それで相殺できました。
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読み終わった時、なんともせつな〜い気持ちになり感動していた。坂東氏の作品はどれも好きだけど、この「山妣」が1番!だと思う。越後の山里で一生懸命生きる人々。年に一回ある奉納芝居だけが楽しみに苦しくても生きている。その年、上方から1人のとても美しい男が来たことから、村の中が狂い出す。...
読み終わった時、なんともせつな〜い気持ちになり感動していた。坂東氏の作品はどれも好きだけど、この「山妣」が1番!だと思う。越後の山里で一生懸命生きる人々。年に一回ある奉納芝居だけが楽しみに苦しくても生きている。その年、上方から1人のとても美しい男が来たことから、村の中が狂い出す。 坂東氏は目に見えない恐怖、因果だとか怨念だとかを描かせると天下一品。そんな因習とかにがんじがらめにされながらも生きていかないといけない人間のせつなさ、哀しみが伝わってくる。私には文句無しの5つ★作品でした。
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