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拝啓 サラリーマンの父上様 の商品レビュー

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2016/01/10

ごくごくふつうの私立大学に入学し、ごくごくふつうのメーカーに就職した、ひとりの平凡な「僕」という青年が、サラリーマンの先輩である父親への手紙という形で、社会人生活を送る中での日々の思いを綴り、〝人生”の「正解」を探し求める物語。ただし、そこには、著者がこれまで出会ってきた何百人も...

ごくごくふつうの私立大学に入学し、ごくごくふつうのメーカーに就職した、ひとりの平凡な「僕」という青年が、サラリーマンの先輩である父親への手紙という形で、社会人生活を送る中での日々の思いを綴り、〝人生”の「正解」を探し求める物語。ただし、そこには、著者がこれまで出会ってきた何百人もの若きサラリーマンたちの内面の声が取り込まれており、等身大の若手サラリーマンを描いたノンフィクションであるともいえる。発刊からだいぶ年月が経過しており、男性中心な物の見方など時代を感じさせる部分もあるが、内容の本質的な部分は古びていないと感じる。 技術職と比べての事務職の専門性への疑問、会社に順応していく同期への疑問など若手社員として共感できることが少なくなかった。一方で、合理主義的な課長への抵抗や突然の退職という選択など、あまり共感できない部分もあった(特に、合理主義的な課長については、個人的にはかなり好感を持つが‥。二番煎じ戦略の是非はあろうが、それはそれで一つの戦略だと思う。)。 若手社員の一人として、こういうストーリーは嫌いじゃないが、正直、この本の目的の一つである、中間管理職向けに最近の若手社員の実像を伝えるという点では、ここで描かれた「僕」はしょせん若手社員の典型例に過ぎないので、そんなに役に立たないのではないかという気がした。本題からは外れるが、「僕」のおどけた文体がちょっと苦手だった。

Posted byブクログ