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二葉亭四迷の明治四十一年 の商品レビュー

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2024/02/29

二葉亭四迷が生きたこの時代、やはり「士族」上がりで一人っ子の優遇が多かったのか仕事も飽きっぽく多情で野暮な性格は職を転々し、引っ越しも20回以上、浪費家で変わり者と言われた、だが、唯一「浮雲」は自分と正反対の「正直」(内海文三は融通の利かない男・プライドが高い)を表現しようとして...

二葉亭四迷が生きたこの時代、やはり「士族」上がりで一人っ子の優遇が多かったのか仕事も飽きっぽく多情で野暮な性格は職を転々し、引っ越しも20回以上、浪費家で変わり者と言われた、だが、唯一「浮雲」は自分と正反対の「正直」(内海文三は融通の利かない男・プライドが高い)を表現しようとしていたとあるのは頷ける。二葉亭四迷の浪費について、現代の金銭的感覚で言うと1ケ月に約350万円程を使い、贅沢三昧の生活ぶりだった。二葉亭は「文学は男子一生の業にあらず」と言っていたという。

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2023/05/11

二葉亭四迷は明治41年に東京朝日新聞の特派員として、ロシアのペテルブルグに派遣されることとないり、6月6日に上野精養軒で、その壮行会が開催された。 【引用】 ウエイターたちがきびきびと給仕のために歩きまわる。そのたびに、油をひかれ黒く沈みこんだ色あいの床板がきしきしとなかなか感じ...

二葉亭四迷は明治41年に東京朝日新聞の特派員として、ロシアのペテルブルグに派遣されることとないり、6月6日に上野精養軒で、その壮行会が開催された。 【引用】 ウエイターたちがきびきびと給仕のために歩きまわる。そのたびに、油をひかれ黒く沈みこんだ色あいの床板がきしきしとなかなか感じよくきしむ。酒が高足のグラスに注がれる。ボルドーのワインである。西洋料理が運ばれる。皿がかえられる。窓の外は薄赤く染まり、やがて暗くなる。酒がひとしきりまわり、ひとびとの顔は明るくなる。明治四十四年六月六日夕刻、上野精養軒における二葉亭四迷長谷川辰之助の露行送別宴である。 【引用終わり】 その壮行会の様子を関川夏央は、上記のように描写している。 本書は基本的にはノンフィクションに属する本であるが、上記のような物語的な描写もあり、面白い。 しかし、私自身は二葉亭四迷のことをほとんど何も知らないこともあり、全体的に本書をそんなに楽しんでは読めなかった。 明治時代の後半という「時代」を描いたうえで二葉亭四迷を物語ることと、逆に、二葉亭四迷を描くことで明治時代の後半という「時代」を物語ることを目的に書かれたものであろうが、なぜ、二葉亭四迷なのか、従って、なぜ明治時代後半なのか、ということが分からなかった。また、関川夏央に、二葉亭四迷に対しての「熱」が強くは感じられなかったのは、気のせいだろうか。

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