書斎 の商品レビュー
およそ縁遠いことがつづられている本なのに、アンドルー・ラングの熱に引きつけられて、妙に楽しく読んでしまった。 古書の競売の模様を(別に自分が競っているわけでもないのに)「あのときの興奮をわたしはいまもよく憶えている」と熱っぽく描写するラング。つまらないものに大金を投じるな、自分...
およそ縁遠いことがつづられている本なのに、アンドルー・ラングの熱に引きつけられて、妙に楽しく読んでしまった。 古書の競売の模様を(別に自分が競っているわけでもないのに)「あのときの興奮をわたしはいまもよく憶えている」と熱っぽく描写するラング。つまらないものに大金を投じるな、自分の専門分野を持て、できれば大英図書館などで本物に徹底的に触れて鑑識眼を養え、などなど具体的なアドバイスもありつつ、やはり根本にあるのは、手に触れるものとしての本の美しさへの愛なのだと思った。 「〈写真製版〉を使った現代の挿絵本は控えたほうがいいでしょう。いくらでも複写可能な、機械による複製で満足できるようでは、本当の愛書家とは申せません」 なんて書いているラングさん、Kindleなんか見たら、卒倒しちゃうかも(^_^;;
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