大統領のクリスマス・ツリー の商品レビュー
1時間ドラマをそのまま見ているような構成。「完璧に幸せ」と思うのは それを失いつつある時。時は一刻も止まらず過ぎていき、どんな幸せも永遠には続かない。
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とても前向きな悲しい話です。 今後、自分の人生にこんな悲しいシーンがあるのかと、ちょっと寂しい気持ちになります。 そんな、話なのに前向きな気持ちになれるのが不思議です。
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「あなたはあたしのクリスマス・ツリーだったのよ」 多分、今この本のページを少しもめくっていない人にとってさえ、香子のこの一言はうならずにはいられない名文句だと思う。 ロマンチックにも見えるたとえだけど、彼女がこの一言を声にするまでに経験したこと、嵐のような日々、幸福にすぎる生活...
「あなたはあたしのクリスマス・ツリーだったのよ」 多分、今この本のページを少しもめくっていない人にとってさえ、香子のこの一言はうならずにはいられない名文句だと思う。 ロマンチックにも見えるたとえだけど、彼女がこの一言を声にするまでに経験したこと、嵐のような日々、幸福にすぎる生活、その中で胸を満たした感情、香子の強さ、そして、気付いてしまったこと。 そういうものを全て知った後のこの一言は、あまりに苦しくて、あまりに切なくて、あまりに強くて、たまらなくなる。 そう長くはないし、小難しい話でもない。 この一言に少しでもうなったなら、ぜひ本作を読んでほしい。
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56 鷺沢萌の短編を読んで買ってみようと思って読んだ。 俵万智の解説がわかりやすかった。どんなふうに愛するかよりも、どんなふうに別れるかというところにその人の性格というか本質がでる。 子供の数だけ誕生日パーティーできる
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解説で俵万智さんが「あなたはあたしのクリスマスツリーだったのよ」を中心とする、ラストのほんの一言ふた言の会話を、いかにせつなく成立させるかということに、ひたすら向かっているようにも思われたと言ってるけど、まさにその通りだなーと思いました。
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何度も繰り返し読み、その度に抱く感想が違う本。もう10回以上は読んでるな。時間にしてみたら数十分の最後のドライブの間に、初々しい始まりから、確固たる信頼関係を築き上げ、徐々にすれ違って行く様を回想的に差し込んで、着々と別れへと向かっていく。結末はわかってるから、その全てが切ない。...
何度も繰り返し読み、その度に抱く感想が違う本。もう10回以上は読んでるな。時間にしてみたら数十分の最後のドライブの間に、初々しい始まりから、確固たる信頼関係を築き上げ、徐々にすれ違って行く様を回想的に差し込んで、着々と別れへと向かっていく。結末はわかってるから、その全てが切ない。昔読んでた時はあんなに好きなのになんで別れるのか分からなかった。でも今は分かるな。同じ方向を向いていない人とは一緒にいるのは苦しい。あんな別れ方ができる香子の性格がハルによって築かれたっていうのも切ないけど…かけがえのないものを得たと思えるのだろう。そして俵万智さんの解説が秀逸でこれもセットでこの本が好き。
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もしも自分が当事者なら、こんな別れ方はできないな。 最後の一言が言えるぐらいに成長したいなって思える一作。
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なにかの評で「最後の一言のための作品」という言葉を聞いたが、正にそのための作品。 恋愛について、家族について、と切り口はいくつもあるが年月を経ることとはどういうことかを丁寧に描いていてとても好い。
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表紙裏 これがね、大統領のクリスマス・ツリー。治貴の言葉は香子の耳の奥に今でも残っている。ワシントンで出会い、そこで一緒に暮らし始めた二人。アメリカ人でも難関の司法試験にパスし弁護士事務所でホープとなった治貴。二人の夢は次々と現実となっていく。だが、そんな幸福も束の間・・・。感涙...
表紙裏 これがね、大統領のクリスマス・ツリー。治貴の言葉は香子の耳の奥に今でも残っている。ワシントンで出会い、そこで一緒に暮らし始めた二人。アメリカ人でも難関の司法試験にパスし弁護士事務所でホープとなった治貴。二人の夢は次々と現実となっていく。だが、そんな幸福も束の間・・・。感涙のラストシーン!
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ワシントンの街を、当てもなく車を走らせる治貴。香子はその助手席に座りながら、出会った頃に治貴が言った「これがね、大統領のクリスマス・ツリー…」という言葉を思い出していた。 大学生だった二人は、将来手にするであろう子供のいるあたたかい家庭のことや、煉瓦造りの家のことを思い描いては、...
ワシントンの街を、当てもなく車を走らせる治貴。香子はその助手席に座りながら、出会った頃に治貴が言った「これがね、大統領のクリスマス・ツリー…」という言葉を思い出していた。 大学生だった二人は、将来手にするであろう子供のいるあたたかい家庭のことや、煉瓦造りの家のことを思い描いては、それを信じて、常に前を向いて生きていた。そして、すべてはその通りに叶えられていった。 しかし、決して後ろを振り返ることのない治貴は、いつしか香子の手の届かない方向へと遠くなってしまっていた…。 ずっと、揺るぎない幸せの中を歩んできた二人の、別れの1コマを切なく描く。恋愛の無常をつきつけられたようで、どうにも悲しい。
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