修理さま雪は の商品レビュー

3.5

2件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2013/07/31

会津戦争が舞台の短編集。 「修理さま雪は」はやるせなくてもう…。 他に好きな方ができたんですね、だからこんなに苦しいのに助けてくれないんですねっていう雪さんがかなしい。 自刃なんて…とはいうものの、そうした方がましだと思ってしまうよなあ。

Posted byブクログ

2013/07/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

●「修理さま 雪は」- 神保修理の妻:雪の最期の1日について。西軍に辱めを受け、自害という壮絶な最期。 ●「涙橋まで」- 長刀姿で散った、会津の誇る眉目秀麗な麗人中野竹子について。藩を思うその真っ直ぐな心には敬服の一言だけれど、 女性として盛りの年頃に散った若き才能に切なくなる。 ●「雁の行方」-家族親族・屋敷すべてを失った一等家老 西郷頼母の孤独な生涯について。 実際そばにいたら相当厄介で面倒くさいじーさんだなと思いながらも、 その頑なな心の奥に眠る想いが晩年会津に戻ったところで溢れ出た気がした。生きる事に不器用であり続けた、真の武士だったのだと思う。 ●「残す月影」- 城内に篭ってからの激戦における新島八重の活躍について。開城した日の夜、雑物蔵の白壁に刻んだ和歌。 「明日の夜はいづこの誰かながむらんなれし御城に残す月かげ」。 ●「飯盛山の盗賊」-白虎隊の屍から金品刀を奪い取った農民「太吉」の話。その他にも自刀の地のすぐそばに建てられた学校法人の設立者の胸像など、白虎隊の名声にあやかって利欲を追及するものはいるのだ。いつの世も。 ●「開城の使者」-降伏の使者、佐々木源吉。 秋月剃二郎のみが頭にあったが、捨て駒として派遣されたこのような人もいたのだ。歴史の表舞台に立つことなく、生涯最大の重大任務が自藩の降伏の伝達であったとは。 最も心に残ったのは、開城の使者。

Posted byブクログ