銀河列車の悲しみ の商品レビュー
奇妙な出来事の数々は…
奇妙な出来事の数々は、壮大なドラマの前兆だった。誘拐と間違われた少女が無事もどって、銀河鉄道の夜を体験したと語り、ゴジラに襲われたと訴える青年が現われる。
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とにかく、目茶苦茶な…
とにかく、目茶苦茶な謎が連発して出てくる。凄い。
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身長数十メートルの怪獣ゴジラに襲われたという青年。少女誘拐。バラバラに切断された彼女の遺体写真。しかし誘拐と思われた少女は無事に戻る。…も、銀河鉄道に乗ったり、恐竜時代の地球に行ったと言う。 さらに北海道では、ミステリアス銀河列車が60人の乗客とともに消える。車掌だけ保護されるも...
身長数十メートルの怪獣ゴジラに襲われたという青年。少女誘拐。バラバラに切断された彼女の遺体写真。しかし誘拐と思われた少女は無事に戻る。…も、銀河鉄道に乗ったり、恐竜時代の地球に行ったと言う。 さらに北海道では、ミステリアス銀河列車が60人の乗客とともに消える。車掌だけ保護されるも、宇宙を旅して月面や火星に行ったと証言。しかも、黒こげの死体ひとつを乗せた客車3両と蒸気機関車は、空を100キロメートル以上飛び、原野のただ中、天へ昇りゆく途中とでもいえる格好で、樹高20数メートルの巨木の上に、まるで船が座礁でもしたかのように、引っかかって発見される。 それから、妖怪ぬりかべやカラスてんぐの目撃情報。ゴジラに食われた2つの死体。まだ起こる第二の銀河列車事件…。 まるでファンタジーのような、これら詩的な事件の謎に、警視庁捜査一課の牛深警部が挑む。 北海道を舞台にしていたり、メルヘンのような事件のシチュエーションを、現実的に解明してゆく物語の展開は、島田荘司の『奇想、天を動かす』を思わせてワクワクしました。解説を島田先生が書いてるのもうなずけます。情景が絵のように浮かび、好きな世界です。
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たぶん知らない人が多いと思います、この作品も、そして作者も。 しかし、この本はいい。理屈抜きにいい。 冒頭が最もいい。 極寒の北海道。その新雪の原野に、二条の車輪の蹟が続く。 そして、その先の大木に、列車が一台引っかかっているのである。 雪原を走り疲れて、眠っているかのように...
たぶん知らない人が多いと思います、この作品も、そして作者も。 しかし、この本はいい。理屈抜きにいい。 冒頭が最もいい。 極寒の北海道。その新雪の原野に、二条の車輪の蹟が続く。 そして、その先の大木に、列車が一台引っかかっているのである。 雪原を走り疲れて、眠っているかのように。 この美しさは、北国に生まれ育ったものにしか分からない。 作者の阿井氏は北京生まれということだから、たぶん真冬の厳しさと美しさを 知り尽くしているのだろう。 推理小説(それもこれほどの超越した「あり得ない状況」を設定した物語)の書評に 顛末をあらすじで書くような野暮はしない。 ただ、読んでみてほしいと、願うばかりである。
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