光の海 の商品レビュー

津村節子(著者)

2015/11/17

10の短編が納められている。
失踪した夫を探し当て、女と住む家を訪ねた。夫は不在で近所の人に様子を尋ねてみると、夫は交通事故で亡くなっていた（風の家）
父の義弟夫婦が段取りしてくれたお見合い。けれど彼女は父の義弟と深い仲だった。誰にも知られていないと思っていたが、挙式の時にその連れ合いが言った言葉は・・・（佳き日）
夫婦の土地に息子が二世帯住宅を建てた。一緒に暮らす日を夢見ていたが、夫は亡くなり妻も病を得た。息子は見舞いにも来ない。死を間近に、妻は帰宅を希望する（短く長い旅）
行方不明になっていた姉から突然連絡があった。姉は男と出奔していたのだ。姉の夫に事情を説明して、出来るなら元の鞘に戻ってほしい。妹は姉の夫の家を訪ねるが、出てきたのは女性だった。姉がいた時からの仲だったようだ（惑いの夏）
他の6編も男女や親子のすれ違いだったり、それぞれの思惑の違いを描いている。