ダンヌンツィオに夢中 の商品レビュー
三島由紀夫の名を一字一画たりとも出さずに書かれた異色にして出色の三島論。 ずいぶん前に単行本で読んでいた。古書店で文庫版を見つけて読み返す。 市ヶ谷バルコニーでの演説を、タモリのハナモゲラ語のように聴き取った再録は不謹慎だが面白い。 他のエッセイも楽しく読めた。
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筒井康隆が様々な媒体に掲載した書評やエッセイ等をまとめた一冊。白眉はタイトル作の「ダンヌンツィオに夢中」である。 これは、イタリアの英雄詩人ダンヌンツィオと、彼に間違いなく影響を受けたであろう三島由紀夫の類似性を暴き出し、三島由紀夫という作家の特徴を戯画的に示した小論である。三...
筒井康隆が様々な媒体に掲載した書評やエッセイ等をまとめた一冊。白眉はタイトル作の「ダンヌンツィオに夢中」である。 これは、イタリアの英雄詩人ダンヌンツィオと、彼に間違いなく影響を受けたであろう三島由紀夫の類似性を暴き出し、三島由紀夫という作家の特徴を戯画的に示した小論である。三島由紀夫の持つ英雄への憧れや過剰な自己陶酔の本質がユーモラスな文体で書かれている。 三島由紀夫という作家を神聖視する人間には読むに耐えない小論かもしれないが、三島由紀夫の一部の作品はギャグ小説である、というくらいの認識でいる私にとっては、極めて痛快で面白い文章。例えば、「仮面の告白」のような作品を現代において真面目に読み、「ああ、この人はセクシャリティにとても悩んだのだなあ」という人間がいれば、そういう人はセクシャリティというものが何なのかを幼稚園レベルで考え直した方が良い。そういう点で「仮面の告白」はギャグ小説としてしか現代においては通用しないわけであり、筒井康隆の評論の俗悪さは若干認めながらも、その本質をついた叙述に手を叩かざるを得ないのである。
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ガブリエーレ・ダンヌンツィオは、147年前の1863年3月12日にイタリアで生まれて、72年前の1938年に74歳で死んだ劇作家・小説家・詩人。
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筒井的三島由紀夫論とエッセイ。 三島のは相当真面目に書かれているが、其れ故油断したナリ。 演説シーン吹いた・・・見事に筒井世界へ持ってくなぁ・・・。あーオモスレ〜〜〜〜〜。
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ユングについて書かれたエッセイより引用。 「なんと、個性化は究極的には自分の死に直面する課題があったのだ。」 おおー。
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