普及版 日本文学全集(第2集) の商品レビュー
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清水義範との邂逅はたしか、高校生?大学生くらい? パスティーシュ、なんてコトバすら知らなかったけれどとにかく、少しずれのある感覚を楽しむものなんだってのはよくわかった。いつもなら聞き流している「のようなもの」っていったい何?とか(「バールのようなもの」)、試験問題を作り手の立場...
清水義範との邂逅はたしか、高校生?大学生くらい? パスティーシュ、なんてコトバすら知らなかったけれどとにかく、少しずれのある感覚を楽しむものなんだってのはよくわかった。いつもなら聞き流している「のようなもの」っていったい何?とか(「バールのようなもの」)、試験問題を作り手の立場から分析するという視点(「国語問題必勝法」)、どうして英語の翻訳ってあんなに異常にこなれてないの??(「永遠のジャック&ベティ」)など、もう、どうしてこんな視点があるのかと嬉しくなって、片っ端から読んでいたのをよく覚えている。 その清水節が炸裂しているのが本書。関連図書として先日世界文学全集を簡単に紹介したけど、日本文学全集はやっぱ、親しみあるだけより楽しかった!ブックオフで第2集しかゲットできなかったけど、1も欲しいな。 2集で紹介されているのは浮雲や東海道中膝栗毛など有名どころたくさん、わー嬉しい。そのうちいくつか、ピックアップしてご紹介。 ・女殺油地獄 これ、子供の頃人形劇で見た記憶が。怖いハナシが好きで、紹介されワクワクしてみたけど、全然怖くないじゃん!って思っていた。ちなみに今でもこの物語の趣旨はよくわかりません~。子供に鑑賞させた学校側の狙いはさらに、わかりませんけどね。何だったのだろう。。まぁいいや。ここでは関係ない。このハナシが清水節では、政治と海へのオイル流出、巻き込まれる非力なウミウの悲劇、と、なんか妙な説得力を持って迫ってます。ウミウ、かわいそう。 ・南総里見八犬伝 有名すぎて実は、要約版(しかも山田風太郎版なのでかなりバイアスかかっていると思われる)しか読んでいなかったことに今さら気づいたけど、この作品を読むには実はそれで十分だったというオチ。最後の落とし方好きだな~。ぜんぶこれだとおいおいだけど、たまにこういったお茶目が入っているのはいいと思います。 ・吾輩は猫である 何十年前に読んだか記憶はないんだけど、鼻毛を並べるシーンはいまだに覚えてます!といえるくらい、つまりほかはまったく記憶になくて、こりあんせんせい?あれ?ねこがしんじゃうんだっけ?とか、めちゃめちゃうろで。唯一ちゃんと記憶にあるのが、先生がすごくかっこつけでけつのあなのちーさい人間として描かれていたよね?ということくらい。でも、それでこれも十分でした。あかちゃんがさかしらに親のことを語る小説などをあたしは好みませんが、猫はかわいいけど意外にろうたけていそうなので、よし。ってことです。 これはそのへんにおいておいて、気が向いたら眺める読書にいいと思った。あたしのお風呂場には脱衣場のあたりにちょうど、そういった気兼ねない読書向きの本がごそっと積まれてるんだけど、これもそこにいれて、気ままに読もうかな。
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