根源からの出発 の商品レビュー
久松真一に指導を仰ぎ、FAS協会設立にあたって中心的な役割を果たした著者が、みずからの思索の道を振り返りながら現代という時代において生きた禅のあり方をさぐる講演をまとめた本です。また巻末には、鈴木大拙の高弟である秋月龍珉との対談も収められています。 従来の伝統をただ墨守するので...
久松真一に指導を仰ぎ、FAS協会設立にあたって中心的な役割を果たした著者が、みずからの思索の道を振り返りながら現代という時代において生きた禅のあり方をさぐる講演をまとめた本です。また巻末には、鈴木大拙の高弟である秋月龍珉との対談も収められています。 従来の伝統をただ墨守するのでもなく、また禅思想を単なる研究対象にしてしまうのでもなく、まさに今、生きて働く禅とは何かという問いに、著者がまっすぐに向き合おうとしています。またそうした課題は、著者と対談をおこなっている秋月龍珉のことばにも共有されています。その二人の対談では、両者から禅の現状に対する厳しいことばが投げかけられており、大拙と久松それぞれの切り開いた新たな禅の境位から学びながらも、みずから禅を生きたものにするにはどうすればよいのかという問いの真剣さが伝わってきます。
Posted by
- 1