未来圏からの風 の商品レビュー
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未来圏からの風 「未来からの贈り物」という題でTBSテレビで1995年に放映された番組の取材に同行した際のエッセイと写真集です。チベットでカーラチャクラの儀式を見てダライラマ猊下に会い、アラスカで故 星野道夫氏と過ごし、ニューイングランドで科学者たちと語らい、バリのお正月に相当するお祝いの日々を送る。そんな贅沢な旅の記録。そしてその旅の底流としての宮沢賢治の思想と詩。 竹蔵は、フリーマン・ダイソン氏の宇宙論、リン・マーグリス氏のバクテリアと地球環境、トーマス・レイ氏のコンピューターによる進化のシミュレーションの話をとても興味深く読みました。 変わることを十分咀嚼した上で、変わらないことを選ぶこと。それが未来への指針なのではないかという結論に強く共鳴します。ロハスとか持続的可能な社会とか流行を追う前に、その必然性をじっくり考える、そんな姿勢がこういった思想を流行に終わらせないために必要で、この本はそういうことを考えるきっかけになると思います。 閑話休題。 ”よりよい世界、より幸福な世界が欲しいというのならば、私たち人間の一人一人が努力するほかない。” 今、チベット問題が話題となっていますが、その渦中のダライラマ猊下の言葉です。こんな考えを持って、非暴力によるチベット自治を目指している人が、暴動を主謀することは考えられません。この本を今読んでいるという巡り合わせもあり、竹蔵はこの問題に対して何ができるかを考えようと思っています。 竹蔵
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1996年刊行。もうそんなに経つのか。だからこの本を読んだのは、今よりもまだまだ知らないことが多かった20代半ば過ぎだ。 『楽しい週末』のあとがきで、蔓延する悲観論に対する、楽観論に肩入れするための、迷路の出口を探す遥かな旅の第一歩、と記していた。 この本はその先へ向かった旅の記...
1996年刊行。もうそんなに経つのか。だからこの本を読んだのは、今よりもまだまだ知らないことが多かった20代半ば過ぎだ。 『楽しい週末』のあとがきで、蔓延する悲観論に対する、楽観論に肩入れするための、迷路の出口を探す遥かな旅の第一歩、と記していた。 この本はその先へ向かった旅の記録。 当時どこまで理解できていたのだろう。遅れを取らないように必死でついて行こうとはしていた、と思う。 そうだ。この旅の記録は、テレビでも放映されたのだった。垂水健吾氏の写真同様、美しい映像だった。音だけカセットに録ってよく聴いたっけ。藤井フミヤのナレーションはちょっと苦手だったけど。 (カセットテープって便利だったな) リン・マーグリス、トーマス・レイなんていう学者は、この本を読まなければ知らないままだったろう。 例えばリン・マーグリスについては、 http://1000ya.isis.ne.jp/0414.html また、読み直そう。
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