ユリシーズのダブリン の商品レビュー
ユリシーズから寄り道中。 日本で出ている「ユリシーズ」の翻訳は、 高松 雄一 、 丸谷 才一、 永川 玲二の共訳のものと、柳瀬尚紀のもの。柳瀬さん版は御本人のご逝去により全18章の内12章まで。柳瀬さんは他にもユリシーズエッセイのようなものを書いている。 ユリシーズ1章から1...
ユリシーズから寄り道中。 日本で出ている「ユリシーズ」の翻訳は、 高松 雄一 、 丸谷 才一、 永川 玲二の共訳のものと、柳瀬尚紀のもの。柳瀬さん版は御本人のご逝去により全18章の内12章まで。柳瀬さんは他にもユリシーズエッセイのようなものを書いている。 ユリシーズ1章から10章のメモはこちら https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4087610047#comment 柳瀬尚樹さんの「ユリシーズ航海記」はこちら。 https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4309025854#comment アイルランド島は、1801年1月1日から1922年12月6日までグレートブリテン及びアイルランド連合王国の植民地だった。 ユリシーズが書かれた時期はジョイス一家は”イギリス人”だった。 1945年以降は飢饉が起こり、アイルランドから他国(イギリス、カナダ、オーストラリア、多くはアメリカ)への大量移民となった。 この本は柳瀬尚樹さんによる、写真で見るユリシーズといったところ。 ユリシーズでは、ダブリンやその周辺図がユリシーズ本文ではかなり詳しく書かれている。そこで、ユリシーズの1章から、本文を一部分ずつ抜き出し、さらにその章で関係のある場所の写真を載せている。 写真は、スティーブンたちの暮らしている塔、みんなが集う酒場、ブルームの住居、登場人物たちが歩く通りや海岸など。 スティーブンの塔は、読んだだけだと灯台のようなものを想像していたのだが、軍事用の見張りとして使われていたのかと見える。 スティーブンの経歴や内面は作者ジェイムス・ジョイスが反映されているということで、実際に過ごしたダブリンの光景を見ると、このお話は普通の人の暮らしなんだなと思える。
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