蛇淫 の商品レビュー
どの話の主人公もみな荒くれもので、シンプルな思考形態を持って生きている人物として書かれているな、と思った。シンプルであるが故に閉塞感を感じる生活が生々しく描かれている。そしてシンプルであるが故のストレートな衝動、感情の昂りのエネルギーは凄まじく、鬼気迫るものを感じるシーンがいくつ...
どの話の主人公もみな荒くれもので、シンプルな思考形態を持って生きている人物として書かれているな、と思った。シンプルであるが故に閉塞感を感じる生活が生々しく描かれている。そしてシンプルであるが故のストレートな衝動、感情の昂りのエネルギーは凄まじく、鬼気迫るものを感じるシーンがいくつもあった。困窮し、抜き差しならない状況下での愛憎入り混じる夫婦間のやり取りの中で、荒くれた人物像の奥に潜む繊細な心の揺らぎが垣間見える瞬間は哀しくもあり、美しいと感じた。
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健次の暴力はいつも切ない。大きく手をあげて、振り下ろした先にあるのが人肌であることにすら、触れ合いとしての喜び、恥ずかしさを想起させてしまう。
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艶めかしい題名。 上田秋成に興味を持ったのもこの頃かしら。 そして泉鏡花もまた。 2002年6月16日読了
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