光の大地 の商品レビュー

辻邦生(著者)

2014/10/07

文章がとても読みやすいです。
（２日間位で読みました）
風景描写が美しい。
タヒチへ行きたくなりました。

2009/11/15

人間は誰だって苦しみなんか味わいたくない。そこから逃げ出したい。それなのに、あの人は苦しみを引きうけたのだ。
「何のために？」
「人間であることを証しするために」
「では、人間であるとは、何か特別なことなの？」
「特別なことよ。だって、苦悩を喜んで引きうけようというんですもの」
「どうしてそんなことをするの？」
「正しいことをこの世に現わすためによ」
「正しいことって、この世にあるの？」
「あるわ」
「それは何？」
「人間が、人間を苦しめないこと」
「苦しめない？」
「そうよ。人を苦しめないこと」

「生活の条件に合わせて生きることは、生物としてごく自然だから、男と女に分かれたのは当然でしょう。だからといって人間はあくまで人間でしょう。　男は強くて女は弱いと考えたのは、そのことを見誤ったからよ。男も女も人間として同じなのよ。困難なときは一緒に力を合わせて戦うわ。」