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破壊の女神 の商品レビュー

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2024/07/19

中国史に現れる女たちを描く。これだけか、という感じ。たった11話で終わり。それも虚構の中を含めてである。章に名前が出るのは西施、謝道蘊、独孤皇后、則天武后、柳如是、西太后の6人のみ。結局中国の歴史は男の歴史なのか。

Posted byブクログ

2021/04/26

中国四千年の歴史を彩る女性たちを列伝形式で自在に語る井波さんは水を得た魚のようです。無頼漢あがりの劉邦が築いた漢帝国は、任侠の親分の娘だった呂后を嚆矢として出自の卑しい皇后が多く、母性を活かし大地母神として君臨することを目指した。漢は女性原理が浸透した王朝であると喝破されています...

中国四千年の歴史を彩る女性たちを列伝形式で自在に語る井波さんは水を得た魚のようです。無頼漢あがりの劉邦が築いた漢帝国は、任侠の親分の娘だった呂后を嚆矢として出自の卑しい皇后が多く、母性を活かし大地母神として君臨することを目指した。漢は女性原理が浸透した王朝であると喝破されています。明代の才色兼備男装の娼妓柳如是の奔放不羈な人生は初めて知りました。魅力的な人物です。コンパクトな冊子ですが情報満載。欲を言えば、俠女や悪女も架空でなく、実在の人物で知りたいですね。

Posted byブクログ

2013/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いやはや中国史に登場する女性はスケールが大きいです。「顰に倣う」で有名な西施は呉王夫差に殉じた物静かな絶世の美女のイメージしかありませんでしたが、呉滅亡後の商人となった范蠡との恋物語伝説があるというのは楽しい話です。西施の幸せを願いたい心境です。隋文帝の独孤皇后が夫文帝・子息煬帝を完全に耳じり、実権を握っており、後の則天武后に影響を与えたと思われること。唐・蔡?、北宋・李清照などの天才女詩人が申し合わせたように不幸な生涯をたどったこと。纏足が5代の南唐に始まり、北宋時代に一気に普及したのと同時的に女傑が活躍したとのこと。『楊家将演義』に出てくるという木桂英、杜月英、竇錦姑、鮑飛雲などの楊家の美女勇士の話しも実に楽しいです。そして『唐代伝奇』や『聊斎志異』に登場する聶隠娘、十一娘、十三娘などのカッコいい侠女たちも素敵です。彼女たちは正史に出てくるわけではないので、勿論、実在人物ではなく、脚色された伝説的人物といって良いでしょうが、日本とスケールが違います。チャン・ツィイー主演映画LOVERSのヒロインそのものです。悪女としては『金瓶梅』の潘金蓮が、『水滸伝』の武松に殺される姦淫の兄嫁そのものであり、殺されなかったらどうなったか、というパロディであるというのも楽しいです。この他、明末に強靭な知性と精神力で清に抵抗した柳如是、清の西太后など豪傑が多いです。一方、少女マンガ的な『紅楼夢』に登場する架空人物ですが、林黛玉と薜玉釵の対比などもあり、実に幅広く中国史の女性を取り上げており、知らなかった世界を随分知りました。

Posted byブクログ