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パリに死す の商品レビュー

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2014/04/09

評伝、と言うと、太宰治、坂口安吾、芥川龍之介の評伝を細部まで読み込んだ頃をを思い出します。そういう感覚で読み始めたので、ちょっと肩すかしを食わされたような感じを覚えました。しかし、これは私の勝手な思い込みによるものと言われても仕方ないかもしれません。 ただ、前半のかなりの部分は「...

評伝、と言うと、太宰治、坂口安吾、芥川龍之介の評伝を細部まで読み込んだ頃をを思い出します。そういう感覚で読み始めたので、ちょっと肩すかしを食わされたような感じを覚えました。しかし、これは私の勝手な思い込みによるものと言われても仕方ないかもしれません。 ただ、前半のかなりの部分は「評伝」というよりも「椎名其二氏との思い出」であったと思います。そして、その部分こそが著者が最も書きたかったであろう部分ではないかと思います。 だから、この本は評伝を名乗るよりも、むしろ、思い出を名乗った方が良いのではないでしょうか。そうすれば、もっとすんなり受け入れられると感じました。 椎名其二氏に関しては、大変な魅力を感じました。研究の対象になるべき興味深い人物です。今後の掘り起こしに期待したいところです。

Posted byブクログ