スペインの鱒釣り の商品レビュー
ラテンアメリカ文学の翻訳で有名な木村榮一先生のスペイン釣り紀行。 仕事の関係でしばらくスペイン滞在が決まったので、余暇の過ごし方を考えた挙句、これは趣味の釣りをするしか、とGパンにジャンパー、登山靴、釣竿を背負って飛行機に乗り込みいざマドリードへ!って何をしにいったんですか先生...
ラテンアメリカ文学の翻訳で有名な木村榮一先生のスペイン釣り紀行。 仕事の関係でしばらくスペイン滞在が決まったので、余暇の過ごし方を考えた挙句、これは趣味の釣りをするしか、とGパンにジャンパー、登山靴、釣竿を背負って飛行機に乗り込みいざマドリードへ!って何をしにいったんですか先生なプロローグから始まる、スペインの北部を中心とする鱒釣りにまつわるエッセイ。 目指す川にたどり着いたら環境汚染で地元の釣り人に「全然ダメだよ」と言われてがっくりきたり、思いもよらないところで念願のトゥルチャ・コムン (trucha común) を釣り上げて欣喜雀躍する姿が微笑ましい。そしてどこにでもいる釣りマニアとの釣り談義。 訪れる町や村でその地域の歴史的なエピソードや地域にまつわる文学にばんばん言及されているのも楽しい。読みたい本のメモがどんどん増幅。 バールやタクシーの運ちゃん、地元の子どもと釣り談義を気楽にかわしている様子が羨ましい。地元の人とスペイン語で楽しく会話できるなんて、いいなぁ。 ところで、民宿の自転車を借りて釣りに向かったけど、日射病でぐったりしたら「たかが6キロくらい自転車で走っただけで、日射病にかかるなんてだらしない、ナバラ県出身のインデュラインを見てごらん、世界的に有名な自転車競技トゥール・ド・フランスで何日も走って、優勝までしているじゃないの」とからかわれたそうだけど、比較対象がまちがってます、スペイン人(笑)。
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