近江商人魂(上) の商品レビュー
信長により人生を大き…
信長により人生を大きく変化させられた二人の物語。
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知っていた人物に、今まで知らなかった人物の歴史が読めた。
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多くの商人は、「自分が一所懸命に努力しているのだから、客が買ってくれるはずだ」とおもっているところがある。 ところが客にとってはそんなことはなんの関係もない。それは売る側の理屈であって、買う側の理屈ではない。欲しい品物がなくて困っている人間に、その欲しがっているもの届けるというホ...
多くの商人は、「自分が一所懸命に努力しているのだから、客が買ってくれるはずだ」とおもっているところがある。 ところが客にとってはそんなことはなんの関係もない。それは売る側の理屈であって、買う側の理屈ではない。欲しい品物がなくて困っている人間に、その欲しがっているもの届けるというホトケの心がない。 あるところに住む人間がある品物を欲しがっている。しかし、そこにはその品物がない。だからそのことを知った商人が、その品物があるところから、ないところへ運んでやるというのが、商人に必要なホトケの心。なによりも、どこの土地でもいいから、そこに住む人間が、なにを欲しがっているかを掴むことだ。そして、その人間たちが欲しがる品物がその土地になければ、あるところからその品物を持ってきてやる。それが商人の心だ。」 信長・秀吉の時代、商人に感心の高かった近江の領主(大名)菖蒲氏郷は、「衣食住にかかわりを持つ品物を作れば、必ず売れる」、「地域でできるものを作れ、できないものを決して作るな」と言った。 人間の暮らしに欠く事のできない、しかも地域に密着した製品であれば、必ず売れる商品ができるはずだ。 「品物というのは、必ず人間の暮らしに係わりがある。人間の暮らしというのは、衣・食・住の三つだ。つまりきる、空、澄むの三つだとおっしゃる。この三つとかかわりのない暮らしなど有りえないのだから、ここに目をつければ、必ず売れるはずだ。 ... しかしその品物を作るのも地域との係りを忘れてはならない。つまり、その土地でできもしない品物を無理して作るなという。材料がないとか、そいういう技術を持っている人間がいないとか。だから地域でできる材料を生かして作り出せ、ということだ。 日野の里には昔から木地師がたくさんいて、木を材料にした品物はお手のものだ。木を使って、椀を作り出せ、椀は人間の衣食住のうち、食うことと密接な係わりがある、人間の暮らしには絶対に欠くことができないものだ。」 ---------------- 苦労してとった良い特許がたくさんあるから、売れるはずだというのは、売る側の理屈で、買う側にとっては、なんの関係もない。 欲しがっている企業をみつけるのも大変だが、その買い手の企業を助けてるために必要な特許を届けて、本当に役立ちたいと思うぐらいのホトケの気持ちがないと、自社が不要と考える特許を、誰が欲しがるものか。
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