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八月六日上々天気 の商品レビュー

3.7

20件のお客様レビュー

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2018/12/26

めずらしく女性が主人公の作品。従兄の史郎と珠紀の関係がいいなぁと思う。きっとほとんどの読み手が物語の最後に直接的な言葉で語られるより悲しさを感じてしまうはず。

Posted byブクログ

2018/10/26

従姉弟のそこはかとない思慕の漂う関係を本当に美しく描いている.史郎の4才年上の珠紀への憧れ想いが切なくて,広島の原爆の悲劇が背景から浮かび上げってくる.心に染み入る物語りである

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2018/08/24

昭和16年に女学生だった珠貴の、あの日までの話。 どこにでもいそうな、ちょっと気の強い少女珠貴。 戦時下の暮らしが、珠貴目線で語られることで、身近なものに思えてしまう。 出征のため、たった一週間しか一緒にいられなかった夫市岡、4つ年下の従兄弟史郎、彼らと紡ぐささやかな幸せが...

昭和16年に女学生だった珠貴の、あの日までの話。 どこにでもいそうな、ちょっと気の強い少女珠貴。 戦時下の暮らしが、珠貴目線で語られることで、身近なものに思えてしまう。 出征のため、たった一週間しか一緒にいられなかった夫市岡、4つ年下の従兄弟史郎、彼らと紡ぐささやかな幸せが、この時代ならではと、身につまされた。 市岡、史郎の死、原爆投下、その言葉を出さずに表現することで、この物語の美しさが極まったと思う。

Posted byブクログ

2018/07/28

読み直してみた。 1995年に初版。 作品名もだけど、表紙の絵がモロすぎる。 陸の上は在りし日の原爆ドーム。水面に映るのが原爆が受けた後の原爆ドーム。 なんとなく、絵も自分でかなと思ったらその通り。 あとがきに著者のお父さんがその日広島にいた話があって、そのエピソードが冥途あり...

読み直してみた。 1995年に初版。 作品名もだけど、表紙の絵がモロすぎる。 陸の上は在りし日の原爆ドーム。水面に映るのが原爆が受けた後の原爆ドーム。 なんとなく、絵も自分でかなと思ったらその通り。 あとがきに著者のお父さんがその日広島にいた話があって、そのエピソードが冥途ありの中に出てきたそのまま。 冥途ありの作中のお母さんの言葉は、そのまま著者のお母さんの言葉だったのかも。 広島に関わりがあるとなお書き残さなければみたいな気持ちで書いてるのかな。 最後はその場面で終わってるんだけど、 多分、史郎は直撃に近い。 爆心地から距離があるだろうから珠紀は無事。令海は鹿屋に赴くから厳しい。 でも夜半に戻ってすぐにたつもんかなぁ。 珠紀の幻覚とかで実は既に、とか。来れる距離ならもっと早くに姿を見せるもんじゃないかとか。 古い作品は特にそうだけど、意味のわからない単語が多い。当て字も多いし。それが良さでもあるけど、読みにくいのも事実。 今となっては調べるのもすぐだけど、以前はフィーリングで読んでたなぁ。。。

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2014/02/16

全体的にはさすが上手いなー、読ませるなーという感想。でもだんだん独特の言葉遣いがおなかいっぱいになってしまいました。内容よりも美しさとか繊細さとかを押し出されている気がして。。

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2013/09/26

戦時下の庶民の生活を描いているにもかかわらず、爽やかさを覚えた。 従姉弟同士の仲睦まじいやり取りが、最後のシーンの物悲しさを引き立てているのもよかった。

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2011/10/31

再々…読。市岡の志願の理由がまだつかめないです。(むしろ怖い妄想までしてしまってます)案外、史郎と一緒になった方が幸せになったんじゃないの~、と思いながらの後半は、何度読んでも切なくなります。分かった上で読むから尚更。

Posted byブクログ

2011/08/22

久しぶりに長野まゆみ読んだ。 相変わらずの文章の美しさ。繊細です。 でもって、戦争の数年前から始まる物語は戦争の匂いがするものの静かで美しい。強気で明るい珠紀という女学生と、いつも彼女について回る従兄弟の史郎がメイン。珠紀の旦那様も素敵。 残酷描写は全くないけれど、「ああ、あ...

久しぶりに長野まゆみ読んだ。 相変わらずの文章の美しさ。繊細です。 でもって、戦争の数年前から始まる物語は戦争の匂いがするものの静かで美しい。強気で明るい珠紀という女学生と、いつも彼女について回る従兄弟の史郎がメイン。珠紀の旦那様も素敵。 残酷描写は全くないけれど、「ああ、あの日が来てしまう」と読みながら戦々恐々としていた。儚いなぁ。幸せが消えたり、愛しいものがいなくなったり、一瞬だったのだろうけれど、なんてむごいんだろうと、描かれていない作品のその後を思って悲しくなります。 原爆という言葉に全く触れず、最後の1ページが美しいのも物悲しいです。

Posted byブクログ

2011/11/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 こういう「8・6」ものもあったんだな、というのが素直な印象。少女漫画のような世界観と、映像的な文章がぴったり。文語チックな文章も心地よく感じます。  物語は、「あの日」の直前までを描きます。刻々と悪化していく戦況を感じさせながらも、主人公と従弟の不思議な関係を描き出します。ああ、こういう関係って、幼なじみのようで、なんかドキドキですかね。私は転勤族だったので、幼なじみという関係に無茶苦茶幻想と憧れがあります。  姉弟のような2人。それを引き裂く突然の悲劇。朝見送った人が帰ってこない、という現実をどう人は受け入れるのか。それゆえに、せつなさが募ります。

Posted byブクログ

2010/11/27

長野まゆみさんの作品にしてはめずらしい女の子が主人公の小説。 私はそのめずらしい主人公、「珠紀」が大好きなのです。 もちろん史郎さんも。 紅金魚の菓子碗で泡蒸しを食べると主人公が「金魚を食べている気持ちになる」という表現に衝撃を受けた記憶が…。 最後のあのシーンは音がなく静かな...

長野まゆみさんの作品にしてはめずらしい女の子が主人公の小説。 私はそのめずらしい主人公、「珠紀」が大好きなのです。 もちろん史郎さんも。 紅金魚の菓子碗で泡蒸しを食べると主人公が「金魚を食べている気持ちになる」という表現に衝撃を受けた記憶が…。 最後のあのシーンは音がなく静かなイメージでした。

Posted byブクログ