今昔ものがたり の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
今昔物語の登場人物は、……サイコーです。 今昔物語は、平安時代の終わりごろ、白河法皇が院政をはじめたころの時代にできました。全31巻1059篇のお話が詰まった日本文学史上最大の説話集です。 中身を少し。タイトルは「毒殺計画の失敗」。 今は昔、金峰山(きんぶせん)の別当をすごく年とった僧がつとめていた。金峰山は御嶽(みたけ)と呼ばれて、吉野山(よしのやま)から大峰山(おおみねさん)にかけて山伏たちが修験道の修行をする霊地で、別当とは総監督のことであって、たいした勢力をもっていた。そのころこの山では、修行をもっとも長く積んだ僧が別当に選ばれる習わしだった。 ところが、この山の別当の老僧についで長く修行をかさねた僧がいた。 「今の別当が早く死んでくれないかなあ。そうすればわしが別当になれるのに」と熱く願っていたけれど、別当の老僧は、元気そのもので、いっこうに死にそうに見えなかった。 それで二番目の僧はすっかりくさって、思案に思案をかさねた。 「この別当は、年は八十を越したのに、七十代にも劣らず元気でいる。わしもすでに七十になった。ひょっとしたら、わしは別当になれずに死んでしまうかもしれん。この別当を他人に命じて暗殺させても、評判が立つだろうから、毒殺してやろう」 と思いつくようになった。 「仏の罰はおそろしいけれど、ほかに手もあるまい」 ほかに手ないんだ、仏の罰、抑止効果ひくすぎっ、アンタが別当になれない理由はそこっ、と、まぁ突っ込みどころ満載のまま、毒殺計画が失敗へとひた走るさまが語られていきます。 他にも、おくびょうものの強がりの話や浮気心の報いの話、などなど、人間くさいお話がたくさん詰まっています。説教くさい話もあるけど。1059篇もある今昔物語のほんのごく一部が、現代語訳された本がこの『遠いむかしのふしぎな話 今昔ものがたり』現代語訳 杉浦明平(すぎうらみんぺい)、岩波少年文庫です。どうしてごく一部しかないのって、そりゃあもちろん、この本は、映画館と同じように成人用のお話はだいたいカットしてあるからです。でも訳はうんと読みやすい。
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(1996.11.17読了)(1995.11.24購入) 遠いむかしのふしぎな話 (「BOOK」データベースより)amazon 大どろぼうの話、いもがゆの話、大きな鼻の和尚さんの話、そして狐や化け物との知恵くらべ。平安時代の人びとがいきいきと活躍する、ふしぎで楽しい39話。中学以...
(1996.11.17読了)(1995.11.24購入) 遠いむかしのふしぎな話 (「BOOK」データベースより)amazon 大どろぼうの話、いもがゆの話、大きな鼻の和尚さんの話、そして狐や化け物との知恵くらべ。平安時代の人びとがいきいきと活躍する、ふしぎで楽しい39話。中学以上。
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借りた所:川崎市図書館 借りた日:2006/04/30 読んだ日: 途中で挫折 体から蓮が生える話まで読んだ
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