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南部一揆の旗 の商品レビュー

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2013/07/20

「どこの国でも、領主が悪ければ替えればええのだ。――さらに大本にさかのぼって、幕府のやり方がよろしくなければ、日本中の百姓や町人が心を合わせて、それをなおせばええつうことだ」 大名も乞食も、同じ人間なのだ。そう、『百姓は天下の民なり』。 相次ぐ大飢饉。他国では藩政府が備蓄した五...

「どこの国でも、領主が悪ければ替えればええのだ。――さらに大本にさかのぼって、幕府のやり方がよろしくなければ、日本中の百姓や町人が心を合わせて、それをなおせばええつうことだ」 大名も乞食も、同じ人間なのだ。そう、『百姓は天下の民なり』。 相次ぐ大飢饉。他国では藩政府が備蓄した五穀を放出し、あまり死者を出さなかった中、南部藩では役人が例年と変わらず税金を徴収し、取るものがないとわかると大根の葉まで奪い取って行き、結果、何万人もの餓死者を出していた。 食べるものもなく、鍬を持つ体力もなく、牡蠣の貝殻で地面を這い蹲るようにして畑の土を耕す日々。栄養不良のために若くして体を損なうものも多い。 朝の暗いうちから夕方、手元が見えなくなるまで働きづめ、夜は鼠のように藁にもぐって眠り、美味いものの味も知らずに一生を終える。 領主とは雲の上の存在で、逆らうことなど夢にも思わず、つらく苦しい日を送りながら、自分の一生が終わるのをただ待っている。そんな農民たちを説き、切牛に住む百姓・ 弥五兵衛が“騒ぎ立て”を起こす。 領主の交代を幕府に求めるため、仙台藩を頼る弥五兵衛たち一行は、村々を過ぎ、村人を吸収し、二万に届く一揆勢力に成長しながら、山越えの道を行く――。 嘉永六年、南部藩の圧政に抗し立ち上がった農民たちの戦い。後世に『南部三閉伊一揆 遠野強訴』と伝えられる大規模一揆のあらましを描く歴史小説。

Posted byブクログ