アダルトな人びと の商品レビュー
アダルトビデオ関連の…
アダルトビデオ関連のノンフィクション。今では古いものとなってしまっている部分もありますが、なかなか興味深い内容が語られています。
文庫OFF
ノンフィクションである本書のテーマは、「アダルトビデオ」である。筆者は、業界の人たち、女優や監督などにインタビューを行い、撮影現場を取材し、映像制作会社を訪問し、それをルポルタージュの形でまとめている。 筆者・足立倫行は、1948年生まれなので、今年75歳。多くの作品を書いていた...
ノンフィクションである本書のテーマは、「アダルトビデオ」である。筆者は、業界の人たち、女優や監督などにインタビューを行い、撮影現場を取材し、映像制作会社を訪問し、それをルポルタージュの形でまとめている。 筆者・足立倫行は、1948年生まれなので、今年75歳。多くの作品を書いていたのは、もっと若い頃であり、ちなみに本書の発行も1992年、今から30年以上前のことだ。そういう意味で、ベテランの作家であるが、私は、今年になって足立倫行の作品を読み始めた。本書のテーマもユニークであるが、他の作品のテーマもユニークである。北里大学病院という神奈川県相模原市にある大学病院を取り上げたり、日本海のイカ漁をテーマにしたり、「人、夢に暮らす」では、「現代人の夢の形」という、なかなか実態を捉えるのが難しいテーマにも挑戦している。 本書が書かれた30年前と今では全く時代が変わっている。 そもそも、商品としての「有形の」アダルトビデオというものを、今では見かけない。レンタルビデオショップも、姿を消しつつある。今では、アダルトビデオは、ネットを通じて配信されるものになっている。もちろん、撮影の現場にとっては、最終的な形がパッケージに入ったビデオテープなのか、ネット配信なのかは大した違いではないだろうが。 本書に出てくる、監督や女優の名前には記憶がある。ある種の社会現象、と言っては大げさであるが、アダルトビデオ業界の監督や女優が、30年前には、一般にもある程度知られている時代があったことを、本書を読んで思い出した。今では、そのようなことはない。あるいは、私が年を取って興味をなくしただけなのか。 足立倫行の他の作品と同じく、ユニークなノンフィクションだった。
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