英語音声学 の商品レビュー

清水克正(著者)

2020/03/27

英語音声学の重要テーマについて解説している本です。

「まえがき」には、「本書は、英語の音声についての理論面と学習面に視点を置いた概説書であり、文科系の学部において英語学、言語学および英語教育法などを専攻する大学生および英語教育に携わっている方々を対象にしたものである」と述べられており、基本的な事柄に内容を絞って解説がなされているようです。とはいえ、音声学についてまったく知識のない読者にとっては、多少敷居が高いのではないかという気がします。

わたくしにかぎらず、英語の発音について学ぶために英語音声学の入門書に手を伸ばすひとはすくなくないと思いますが、本書はあくまで英語音声学そのものに関心のある読者に向けて書かれた本といってよいでしょう。あるいは、日本人に英語の指導をおこなうひとにとっても役立つ本なのかもしれません。

とくに音響音声学についての概説などは、わたくし自身はあまり興味がなく、ぱらぱらと斜め読みですませてしまいました。発音について学びたいのであれば、竹林滋ほか『改訂新版初級英語音声学』（2013年、大修館書店）および『英語音声学入門』（2008年、大修館書店）などの本が有益ではないかと思います。