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トイレと付き合う方法学入門 の商品レビュー

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世界中のトイレをのぞ…

世界中のトイレをのぞいているという著者ならではの観察力だろうと思う内容。

文庫OFF

2014/11/28

 トイレあるいは排泄に関するあらゆるノウハウ、歴史、仕組み、世界事情、ウンチクなどを網羅。あまり美しい話とはいえないが、生きていくうえで必要不可欠の知識はできるだけ目を背けずに向き合いたい。  著者は寄生虫の専門家。他の著名な同分野の先生と比べると少々不安を煽るような要素が多い...

 トイレあるいは排泄に関するあらゆるノウハウ、歴史、仕組み、世界事情、ウンチクなどを網羅。あまり美しい話とはいえないが、生きていくうえで必要不可欠の知識はできるだけ目を背けずに向き合いたい。  著者は寄生虫の専門家。他の著名な同分野の先生と比べると少々不安を煽るような要素が多いように思う。本書によって「神経質」の払拭を狙ったが、逆に寄生虫に対する恐怖心を助長する傾向があった。もちろん専門家なので「警鐘」を鳴らしていることについては大いに感謝するべきだろう  理系の分野での研究活動を通して見聞した社会的文化的な範疇についても詳しく解説している。外国、特に発展途上国でのトイレ事情に関する記述は大きなカルチャーショックを受けた。さらに化学肥料が登場するまでの排泄物利用状況を見ると日本の食料事情への影響も伺わせる。そして話は自然や資源との関わり方へと行き着く。  どの分野でもそうだが、環境に関する問題が出てくると政府や自治体への要求で終わることが多い。何をするにも金銭的な問題がつきまとうものではあるが、ここに依存しすぎることが一部の人間による統制を許しているように思う。権力者にお願いする前に個々人で可能な行動を考えていきたい。  物事は始めがあって終わりがある。というよりも終わりがあるから始めがある、といったほうがいい。出口があるから入り口があり、消費があるから生産がある。最終的な「処理」を考えずに「導入」することによって話が行き詰まる状況はあちらこちらに見られる。「それ、やったはいいけど、あとどうするの?」「あとよろしく」こういった感じで押し付けられて怒らない人が多いのはなぜだろう。誰も文句を言わない状況において、自分の利益を取りたいだけ取れるにも関わらずそれをやらない人間は存在しない。

Posted byブクログ